舞台『LUNGS』を忘れたくないだけ

 

 

2021年12月23日、神山智洋さん主演舞台LUNGS千穐楽を迎えてから早いもので1週間以上が経ちました。

なんとも時間の経過が早い年の瀬、クリスマスなんてなかった。

サンタさんは今年も来てくれなかったし。

Lovely X'masは10回聞きました。本当はもっと聞きました。

 


なんて言ってる間に年をまたいでしまった。

このブログは2021年に置いてくるつもりだったのに、2022年まで連れてきてしまいました。嘘でしょう。どうして。

 


とにかく、とにかくですよ、LUNGSで見た事感じたことは忘れたくないなぁと思ったので思い出せる限り記憶の中のLUNGSを書き留めて置くことにして書き始めたはずなので、年は開けましたが、どうしようもないので続けます。

 


大筋はカップルの喧嘩夫婦漫談みたいなところもある。なんてことをブログやインタビューで発信されていて。

子供を持つか持たないか」そのテーマが自分の中での答えとして「自分は持つべきではない」が明確にあったので、正直なところ観劇する前からどこか不安はありました。

 


この作品を見て私は健やかに帰って来られるのか、物理的にも、精神的にも。とは言え、とは言えこれはエンタメ。初めての自担の舞台、なんやかんや言ってもとっても楽しみにしてました。

 


個人的初日は11月8日大阪公演

ランチだけ仕事してダッシュで大阪入り。ホテルの部屋が広くて持て余しまくった。

開演時間近づくにつれて緊張しすぎてギリギリまでホテルに引きこもってました。危うく寝落ちるところだった。

危険、快適なホテル。危険。

 


始まってしまえば100分なんて時間はあっという間で、ほんの一瞬。

瞬きさえも忘れてしまいそうなほどの一瞬の出来事みたいだった。

 


でも結論から言うとこの日、私は上手く帰れなかった

 


とにかくしんどかった。何がって言うとあの小さな円形の舞台を世界の尺図として起こったこと全てが。

もちろん笑えたし、面白かったし、楽しかった。でもこの感情って全部少しずつ時間が経ってから漸く捻り出した答えで。

本当に何かをプチッ、と小気味良く音を鳴らして潰したみたいに。一つ一つ整理して一つ一つ咀嚼してあれやこれを潰して成形して漸くやっと、出てきたあれそれで。

 


正直ほんと、明日もこれ観るの?

って言うのが一番だった。

実直な感情やいろんな思考が飛び交ってぶつかり合ってすれ違って複雑にでも単純に絡まりあって解けないような舞台で、

観劇後は身体の力が抜けたというか、頭はあれこれ色々考えるのに、身体の力は抜けた

思い出してあそこ良かったなここ良かったな。なんて感慨に耽って泣くようなことでもなく、ただただ感情的に歪に並べられた現実のあれこれに強制シャットダウン状態

 


エンタメを浴びた」という衝撃よりは「現実を突きつけられた」鈍痛が走ったような舞台、でした。私にとっては。

紙で指切った時みたいな。切れ味の悪いもので切れた時のじんじん痺れるみたいな痛みがあった。

 


そんな感覚。

 


9月末に観劇した小瀧さん主演舞台『検察側の証人』の時は誰かが嘘をついている、何かが噛み合わない、あのセリフとこのセリフがうわぁそっか〜〜〜っ!!!みたいなこう、正解に向かっていくドキドキ感とワクワク感

もちろんその中にもあのシーンのあの人の心情は?とか正解はあってないようなものなんですが、今回まさにその手立てもないんだなって言う。

 


そう思えば神山さん各インタビューで「100%説明はしない、ある程度の余白を残す。」「70~80%しか説明をしない、20~30%の余白を観た方が埋めて100%にする」って、言ってたこと、これを日々なるほどこういうことかと酷く実感してます。

 


大阪での観劇初日から東京公演初日、千穐楽、それから1週間以上経ってる今でも余白はまだまだ埋められていなかったり、逆に自分の価値観だけで塗り固めてるような部分も出てきてたり。

 


でもきっとこれがこの舞台に於いての『正解の一つ』だろうとも思うので、まあ、それはそれでいいのかな。

でも自分の価値観とか感覚だけで塗り固めるのってそれはそれで面白くなかったりするよね。

だからいろんな人のいろんな聞きたい

 


わかりあえる感情とわかりあえない感情があって、現実的で非現実的。この世界ではありふれてることかもしれないけどただの一個人としてはありえない。

常に対になるような感情がぐるぐる巡って、だから何も分からなかった。

 


パートナーがいないから、子供がいないから、その辺りの点と点掻き集めて並べてみても線で結べるような理想像もないから、だからそうなのかもしれないしわからない。

 


私が見ている結婚している人は父と母だし、その子供が自分で、その出来がこれで、ってなると子供が欲しいとも到底思えないし結婚したい理想も理由もない、それを見つけるのも難しい。

例えば自分に子供がいたとして、なんて想像するのも難しいし、実際想像する、考える、そんなことしようとも思わないくらい。

 


そんな私がこのLUNGSで思ったこと、を、とにかく書き留めておこう、と、思いました。

あ、はい、ここからです。ここまで前振りです。長いね。

 


この先「面白い!」「すごい!」「楽しい!」「可愛い!」で突き進んでいきます。小学生の感想文だとでも思ってください。

私のとびっきりの冬の思い出

 

 

 

 


物語が始まる前に演者のお二人が登場して挨拶だったり、ストレッチなんかをしてから呼吸を変えて物語が進んでいくの、初めて見た。

数回入らせてもらったけど本当に、いろいろ。

 


ゆっくりじっくり時間かけて満を持しての「トゥース」を披露する神山智洋さん。

ここボケたなんねん」なんて言いつつ座って太ももさすってる姿はリア突でオープニングボケについて言及されるそれ

直前でゆっくり出たろ。と思ったみたいです。

 


ストレッチついでにバレエのレッスンしてる日もあった。

佳恵さんがバレエ経験者で後ろで煽られてましたけど。

 


佳恵さんの背中押して佳恵さん先に舞台立たせようと奮闘してる日もあった。

だっていつも俺から出てるから

なん、仲良しか?微笑ましい。

 


東京初日は客席正面を向いている佳恵さんをみてジタバタと舞台裏にはけてく神山さんがいました。

バレたか」なんて言いつつ戻ってくる神山さんですが、なんかもう、足音足音。バタバタしてましたって。どうしたんですか。そりゃバレるって。

囲み取材の時の仕返ししたろうと思って」と言うのが神山さんの主張。

谷さんと佳恵ちゃん走ってはけて

写真なっとったなぁ!

取り残されたことに気づいていない神山智洋

 

神山智洋、単独初主演舞台で意外な作品からヒント「メンバーに褒められたい」願望も | マイナビニュース

 

神山さんて佳恵さんのこと佳恵ちゃんって呼んでるんだ、ってところと、神山さんの口から発せられる「取り残されたことに気づいていない神山智洋」という文言に愛しさが振り切れるところからスタートした東京初日。

 

 

残り3公演、そんな21日昼公演では

あと3回やって」と、おセンチモードな神山さん。に、対して「早ない?寂しいの?」な佳恵さん。

寂しいし、」って話してる神山さん、寂しいとか言えちゃうそういうところが好きなんだ

33が3やで」「もう30回もやった

なんて。

この時点でもう、佳恵さんは始めたがってる。

ここで緊張するから」なんて主張にも「俺は逆にリラックスしてる」なんて神山さん。

仲良しか?可愛い。

始めてて」とまで言い始めて未だに座ってる神山さんと、「ここからスタートすんで?」と割とガチめなお顔で音響照明にもゴーサインだすのでさすがに位置に着いた、と思ったら噎せる神山さん。

水飲んでくる?」って声かけてくれる佳恵さんと「飲んでくるけどまた長なんで」と言いつつ舞台裏はけてく神山さん。

舞台には佳恵さんひとり。

繋ぎとか全然出来ない」と言いつつ神山さん待ち。

このタイミングでかかってるBGMが3分40秒あるはずなのに、この公演ではそのBGMも切れるくらい引っ張ってたらしいこのオープニング。

 


千穐楽では「久々に緊張してる」と話す神山さん。

その言葉でこちらも緊張、ギュッと引き締まる思いで。

これで一つ一つセリフが終わってく」とも言っていて、だから尚更、セリフの一つ一つを覚えておきたいなと思って、思い出せる限りのセリフを並べることにして、このブログも書こう、と決めました。

 

 

ただ『LUNGS』を忘れたくないだけ。 - 真っ赤なコードが絡まった

 

これはただセリフを並べただけ。

こんなのだって大まかにしか書き出せてないけど。

 

 

 

彼女の「赤ちゃん?!」から物語が始まる。

深呼吸」彼のかける声。

 


あれだけ笑ったりしていた二人が位置について、大きく息を吸って、呼吸と共にセリフで世界が変わる。

神山さんと佳恵さんの立っていた舞台が一組のカップルの世界に変わる。

そうなんか、幕が上がった、そんな感じ。

 


このこと切り出すのは君の方だと思ってたよね、準備できてるよって僕にプレッシャーかけてさ

なんて彼の言葉があったけど、確かに彼女は子供を持つことに対して反対、って言うわけでもなかったんだなと。

ただ今のこの世界に子供を産み落とすこと妊娠出産に伴って女性の体に起こる変化、これがこの話での棘みたいなものだったんだなって。

 


彼はどのタイミングで「赤ちゃん」の話を切り出したんだろう。

ベビーカーを押して歩いている人を見た、赤ちゃんを抱いてる人を見た、ベビー用品を見た。

僕たちもそろそろ、って?切り出す、って言うからちゃんと彼女に「赤ちゃんが欲しい」話をしたんだろうけど。

 


二人で話をしてる

あなたが今ここで切り出した話

僕が今切り出そうとした話

あなたが今ここで切り出そうと決めた話

 


話し合い」か「言い合い」か「会話」かこの話の中でそんなセリフが何度か出てきた。

この二人だと、感情的に言葉が溢れ出てきてぶつけてる、場面が多くて結局その大半は「言い合い」だった気がする。

でもその「言い合い」の中でも彼の雰囲気が彼女を包み込むみたいにふわっ、と柔んだりするのが好きだった。

 


じゃあもう一回言って聞こえなかったから、私はカートを押してランプを抱えて息もできなかったから!

だいたい分かったでしょ!

と、思う

さっきほどビビらないかもね

参ったな、参りました!

 


この「参ったな、参りました」って彼女が反論できなくなる場面が劇中2回。

他にも言い返せない場面はあったけど明確に彼女が白旗を振ったようなところがここと、後半に1回。

 


君の意見が聞きたい。どうぞ?

この「どうぞ?」が柔らかくて優しくて彼女のこと大切なんだろうなって思えて彼女の意見を聞く姿勢があってこの舞台の中の彼の言葉としてはすごく好き。

 


まあこの後すぐ彼女のターンに戻ってくけど。

 


こんなの顔面パンチの後に数学の問題を解けって言ってるようなもの。こんなことして私が理性的に答えられると思わないで

高層ビルの上から」とか「顔面パンチのあとに数学の問題を解け」とか、彼女の比喩表現てオーバーで過激だけど端的でわかりやすいよなぁって。

ビビってる、とか衝撃だとかそういうの。

 


声に出しながら考えるから私が間違ってることとか馬鹿みたいなこと言っても割り込まないで聞いて。私に考えさせて。

後半で彼が彼女について「ただそこにじっと立つ僕を信頼してる」って言葉が出てくるけど、ここもそうなのかなって。

ただ黙って自分の意見を聞いて欲しい、聞いてくれる信頼感がある。

だから彼女はここまで言葉をぶつけられるのかな、とも思う。彼が受け止めてくれると思ってるから。

実際彼が彼女の言葉の一つ一つ受け止めきれてないとしても。

 


抽象的なこと言うと私だってずっと欲しかった。私はそういうタイプの人間なんだって。それが人生における私の目的、地球における私の役割なんだって。

あなたと出会うずっと前、お人形さん遊びしてた小さい女の子だった頃から

 


この舞台見る前までは「彼女は子供を望んでない」もんだと思ってました。

でも実際にそうじゃないって言うのがこの辺りで「ずっと欲しかった」とか「楽しみ」とかそういう言葉が出てきて。

問題点は「今の環境」と「変化」なんだなぁって。

 


そこにはいつも父親の存在があって、それはどこの誰かもわからない人で

僕は?

の流れ急に可愛らしくて好きでした。

うんうん、君が彼女の子供の父親になりたいって話してるんだもんねどこの誰かもわからない人とかいわれたらびっくりしちゃうよね。

 


重大さ

重大さ、そう、重大さ。よくできましたね、じょおず

って彼女が彼にいい子いい子よしよしするの、「母と子」みたいに描かれてるなぁって。

インタビューで結局男はちょっとアホなんですよねって言ってたあたりにあぁ〜、、、ともなりました。

 


このあたりでも出てくる彼の「深呼吸」って言葉。

言葉通り大きく息を吸って、吸ったところで彼女の言葉の切れ味が増すだけなのが面白いなぁって。

むしろ深呼吸で頭クリアになってスパッと切りつけてるような。

 


ところで彼女の自宅に居るであろう小動物らしき生命体はわんちゃんだと思います?ねこちゃんだと思います?他のなにか?

彼は見向きもされてなかったような気がするけど。

 


あなたは私と同じことを心配してる

私と同じことを心配してる彼、のことが彼女は好きだったのかな。

見ているものが同じ、価値観が似てる。そんな彼。

世界にはいい人間が必要だ

彼が自分の言葉を口にし始めると彼女の顔が明るくなってわくわくしてる子供をみたいに見えた。

前のめりになって、考えて話をする彼の言葉の先を考えようとするみたいな。

二人とも相手が話す時の基本姿勢が前のめりで、彼が、彼女が何を話すのか、楽しんでるような、聞き入れようとしてるんだなって。

 


でも彼は彼女と話をするとき、自分の太ももをさすったりして落ち着きがないことが多かった気がする。

この場面の後半もそう。

言葉を選んで、並べて、彼女の機嫌も伺ったりして、緊張してるようなそんな。

 


最終的に「僕にどうして欲しいのさ」って拗ねたような口調になっちゃうのも子供感

いいから黙ってぎゅっとして」って言われた時は驚いたような、理解できないようなそんな顔。

 


両手上げて両足伸ばしてハグ待ちの彼女が可愛い。

養子をもらおう」って言われたあとの「黙ってぎゅっとして」を実践してる彼。

黙ってぎゅっとしてって言われたもんね。黙ってぎゅっとしてるね。

私がどうしてもやりたあことだったとしても?

その時は話し合おう

けどそうはしないんだ?

うん

ってまた抱きしめ直す彼も、抱きしめられてる彼女も、むっ…っとした同じような顔してる二人が可愛らしかった。

 


この後のこのカップルの距離感が、大阪の時より東京の方がグッと近づいていてとってもほっこりした。

向き合ってぎゅっとした彼女の髪をいじる指先とか、彼の襟足とか耳に触れて遊んでる彼女の手とか。

セックスはちゃんとする、壊されたくないもの私たち」って、回を重ねるごとに彼が彼女を茶化すみたいな仕草が増えてた気がする。

彼女が彼の腕を叩き返してたりする距離感。

 


わ!わ!!!仲良しになってる!!!(大歓喜)

 


この後も二人で手遊びしながら話してる時もあれば、つつき回してる日もあったし、頬をつまむような仕草の日もあったり。

 


わぁ!!!仲良しになってる!!!!!!(大歓喜)

 


このシーン本当に可愛くて大切で大好き。

ここでやっと、会話が生まれた気がする。

 


この事考えるにはまだ若すぎる?」って聞く時の彼の声もとても穏やかで優しくて彼女としっかり向き合ってて。

 


彼とお父さん、彼女とママの関係がほんの少しだけ言葉にされてたりもした。

子供が面倒を起こしたり賞を取ったりしないと目もくれない父親

子供を通して生きるママ

こうなるかも、って不安。こうはなりたくない、って気持ち。

でもお互いに「あなたはあなたのパパとは違う」「君は君のお母さんとは違う」ってきっとそうはならないよって伝え合って。

 


この後彼女が「新しい人間を作りましょう」って言ったのが初めに話してた時から1週間

それから彼女がストップ、をかけた時が「もう何週間も待った」って彼の言葉的に1週間ではなさそうだし2週間、3週間

話始めて1ヶ月弱くらいの時間経過なのかな。

 


ストップさせた彼女の「あなただけのせいじゃないから」に対する「何がせい、なんの」って語気の強さと語呂の良さがなんとなく好きでした。

これは話関係ないけどなんか語呂良くないです?

いや、うん、そんなことはいい、いい。

 


美しいこと」「素敵」「奇跡

このあたりで彼女の口から発せられる言葉を打ち消すのが同じように彼女の口から発せられる「こわい」って言葉。

 


彼女に「こわい」って言われたあと、話をしてる時の彼の手つきって割と雑な感じ。彼女の腕を掴むとか、腰を引き寄せるとか、男性の力、だけある感じ。

時々たまらなく欲しくなる」が、正に今この時でもあるんだろうなと。

この先にある一瞬。その事だけを考えてる。

 


私が欲しいのは、繋がり?」って言葉のところ、彼女は彼の手を握ってることが多かったけど、私が見た中では1公演だけ彼の手を取らなかった時があった。

彼が自分の腰に手当ててたからってだけなんですけど。

これはただのメモ。

 


この後彼がまた彼女を押し倒してたところ、彼の手は雑だけど愛しさがあった気がする。

危険?」の声のトーンにはシンプルにゔぁ゛ッッッ………となりました。

ゔぁ゛ッッッ………

 

 

話を戻します。たまに脱線する。思ったこと全部書いてるからそうなる。仕方ない。話を戻します。

 


彼女の頭に触れる手とか、撫でる仕草、手を握る、指に髪を絡ませる。彼女の言うようにきっと世界で巻き起こる事なんかどうでもいい、二人の世界で二人が宇宙。

お互いがお互いに夢中な様

 


でも最初でビビってる、ビビってない、そう言っていた彼女がもう明確に「恐怖」を感じてることがどんどん抑えられなくなってる。

これってきっと彼との行為が、であってそうじゃなくて、その先にある「妊娠」「出産」「子育て」とかそういうものへの未知なる恐怖でもあるのかなって。

 


オナニーなんてしないから

って彼のセリフ、大阪と東京で随分雰囲気変わってた気がする。

大阪は割とキレ気味っていうか、ぶっきらぼうで構わないで、みたいな雰囲気。

東京は少しだけそれも和らいでて、ぶっきらぼうって感じはしなくて、むしろちょっと明るく振舞ってる、くらいまであった。

 


翌朝、彼からの引越しの提案。「木を植えるんだ。君の言う通り、やるべき事をやるんだ」って言葉に、彼女はやっぱり少女みたいにキラキラした顔をする。

ワクワクしたキラキラな顔をして「結婚しよう。

うん、うん、しよう、私としよう、私はもうあなたに夢中です。

でもきっと私じゃダメなんだ、勝手に失恋しときます。

 


長すぎてちょっと飽きてきてるの気づきます?

続けますけど。

 


あなたの1番のファンは私よ〜、知ってるでしょ。

ここも、冒頭のシーンであったみたいに、「母と子」っぽいなぁと。

 


この朝食のシーンも、大阪と東京でかわってた。

大阪は朝食を食べる仕草、は無かったような気がするけど東京では食べる仕草があった。

 


もう既に僕たちどこか平等じゃないって感じてる」彼がそんな不安を話してる時も彼女は嬉しそうな顔して「自分の不安な気持ちを話してる」「そういうの嬉しい」って言ってる。

不安とか、そういう弱いところさらけ出してくれるのも嬉しいのかな。

 


出産話に食欲無くなった彼に「どうしたの?」って聞く時もにこにこ笑って彼の顔見ようとしたり、ちょっとおちょくってるみたい言い方になる。

でも馬鹿にするみたいなのではない。嬉しいような、楽しいような

 


タバコやめなよ

なにかの中毒になったことないのよ

そのふたつの衝動って僕からすればまるで

前日の話の流れ的に彼がここで例えようとした衝動ってセックスなんだろうな。

 


でもこの話の後彼は就活して、彼女はたぶんタバコを控えてる。

ちゃんと話し合ったんだなぁって。きっと言い合い、じゃなくて話し合い。いやどうだろ、言い合いもあっただろうな。この二人なら。

 


生理きた」って泣きそうな彼女に「仕事休もうか?」って提案する彼。早く仕事行きなさい

早く行って終わったら早く帰ってきてケーキも

って送り出した彼女だけど、彼が帰ってきたら「寂しかった」ってベタベタに甘えてるの可愛い。

 


仕事についていけたらいいのに

って準備してる彼のこと後ろからぎゅうぅうってしてる彼女めちゃくちゃ可愛い

 


このあたりの彼女甘えたモードで可愛かったので語尾が可愛いになってきた。

 


毎週曜日決めてランチしようか、火曜日」って彼の提案に、火曜日は彼女がピクニックの用意して待ってる。

彼は忘れてるけど。

打ち合わせがあるんだ。僕が提案したんだ

火曜日ランチもあなたが提案したのでは?と思いつつ。

サボっちゃえ」にもそれは良くない、良くないよ。

 


転換点はとっくに超えていて今するべきは適応と軽減そしてあとはただもう心の準備。

洪水。干ばつ。ハリケーン。食糧難。水道民営化。大量絶滅。財政破綻。政情不安。戦争。

絶対的な大災害を回避し2030年までもつのか。

 


佳恵さんのアドリブのターンで正直ここの内容ほっとんど聞いてなかった。

 


神山さんの動きをとにかくオーバーに真似してみたり。

片膝ついて「ヨッ!」って煽ってみたり。

煽ってる佳恵さん止めるのに頬に触れようとした手が止まって肩に落ちたのが、女性に対する神山さんが出ててとても風情がありました。

公演中何度か頬に手が伸びたことはあったけど実際に触れたことは無かった気がする。え、スキ。

 


東京初日はとにかく思いっきりおしりを叩いてましたね。

すっごいいい音した。すっごいいい音したと思ったら神山さんも悶えてジタバタしてるし佳恵さん普通に「大丈夫?」って聞いちゃうし可愛かった。

神山さんおしり大事にしてね

 


膝カックンしてる時もあった。

数回膝カックン繰り返して、神山さんが来い来い、って佳恵さん煽りだしたと思ったら膝ロックしてカックン出来ない。

かたい!かたい!ってしゃがみこんで膝裏コンコンしてみたり押したりしてみる佳恵さん愛しい。

最終的に寝転んで神山さんの視界に出現して「セックス、セックスしよ」って次のセリフ。

 


シャツ被ってカオナシしてる日もあった。

神山さんの背後でシャツ被ってカオナシする、フード被せる、払われる、被せる、払われる、被せる、払われるでやっと振り返ったら背後にカオナシ

 


カオナシでひたすら神山さんの真似して

明るいカオナシみたいやな」って言ってた日もあった。

明るいカオナシ。なにそれ。カワイイ

 


ウルトラマンの怪獣にそんなんおったな」って後半日程くらいからちょっとずつ感想落としてく神山智洋さんいて、え、スキ。

 


神山さんの周りに蚊が飛んでたり、

神山さんの前うろうろしてみたり。

 


ちょ、被ってる」って退かす時もあったり。

 


千穐楽は佳恵さんが徐にサムズアップしてるので何してるんだろうなぁと思ったら『ええじゃないか』踊ってましたね。

見覚えある動き」カワイイ。

 


佳恵さん気をつけさせたり、笑いすぎて佳恵さんに背中押されてたり、とにかく二人が可愛かった。

とにかく二人が可愛かったことだけ覚えてる。

 


シュガーシロップ」のこのシーンだけ彼女がハグする時に彼のパーカーの中に手突っ込んでた。

どっか1公演だけ突っ込んでなかった気がするけど。

ここって、大阪だと彼は悩みに悩んでたと思うけど、東京だともう、完全に誘いに乗ってたように見えました。

鼻の下伸ばしてさ

 


大きなチェーン店じゃなくて小さなコーヒーショップを応援する

泥水みたいな味でも?

そうだった、ごめん

過去にあったんだろうなぁ。

小さなコーヒーショップに入ったら美味しくなかったこと。それもちょっとした思い出として二人の中に残ってるなら微笑ましい。

 


聞かないで、言わなきゃダメ?たまにクロスワード見るような目で私のこと見てる

このブログ書いてる時にたまたま見たんですけど女性は言葉をしゃべらない赤ん坊の気持ちを察しながら子育てをするから男性より察する能力に長けてる。なんて話を聞いてはぁ、なるほど。

なんともやけに納得してしまうタイミング。

僕にどうして欲しいのさ」「ヒントが欲しい」とか、彼は後半に向けてそんな言葉がよく出てきてた。

いいから黙ってぎゅっとして」って言葉は既に出てて、後半に向けて彼女は彼にこうして欲しかった、そう吐露する場面が増えてくる。

 


3分待った妊娠検査薬の結果、を、二人が見た瞬間二人は衝撃で時間が止まったみたいに言葉を発しなくなる。

あれだけ話し合い、も言い合い、も繰り返してた二人がピタリと止まる

それに反して時間が進んでいくみたいにステージが時計回りに半周。

彼は嬉しそうな顔だった。噛み締めて、心底嬉しそうな顔。

でも彼女はなんとも、嬉しそう、とは思えなかった。でもこの後話してる場面とか声のトーンとかでは嬉しそうではあった。

はしゃぎすぎ?」って自分で言うくらいだから、嬉しかったんだろうなとは思うけど。

でも単純に嬉しそう、とは思えなかった。衝撃、とかそういうことなのかもしれない。

 


彼は本当に嬉しそうに彼女を振り返ったのに、そこからどう結論付けて「流産の可能性」っていう現実的だけど今この瞬間に触れるべきではないだろうそれに辿り着いたのかがわからない。

無敵で無鉄砲」「完璧で小さな幸せのシャボン玉

無敵で無鉄砲にでもならないとすぐにパシンと弾け散ってしまうような、そんな幸福感を彼女はこの時抱いていて、だからこそどうしてなんで、彼はそれを口にしたんだろう。

 


あとシンプルに彼女の母親のこと、というか誰かの母親のこと「クソ女」とか言うのやめときな??

いや彼女も散々言ってたからお互い様ではあるんだけど。うん、お互い様か

お互いやめときな??

彼女のお母さん彼のパパ、彼と彼女にとってネックだったものってここにもあるんだなって。

 


実際君は僕のを妊娠してるんだ」って言い方も、これはなんて言うかとても嫌い。

二人ともなんだけど全体的にわりと「これ」とかちょっと無機物的というか、生命体としてそこにいるはずの小さな点に対してそんな言い回しが多いのがすごく気になった。

 


彼女の口から出る「映画イレイザーヘッド」どんなものなんだろう、なんて深夜に気軽にあらすじを調べたことは後悔した。

結局あらすじを読んでもよく理解できるような作品ではなかったし。

ただ「異形」の例えとして表現されてることだけは理解して。

 


まったく関係ないんですけど、映画イレイザーヘッドと、映画エレファントマ、どちらも同監督の作品だと知れたのはちょっと面白いなって思った。

神山さんの主演舞台のセリフの中にある「イレイザーヘッド」と同監督が映画で描いた「エレファントマ」を舞台で演じた小瀧さん。

そんな偶然がなんかちょっと面白いなって。

 


もっと色んな人と寝ておくべきだった」彼の大きな一人言の中にあるひとつ。

いやこいつ何言ってんの?って思ってたけど、この時の彼女の顔っていつも角度的に見えなくて。

彼女が眠っている中での一人言、なのか、彼女は起きていて彼の話をただ黙って聞いているだけなのか、どうなんだろうなと思ってた。

彼女の顔がようやく見えた公演で、眉しかめて一瞬彼の方を振り返ろうとする仕草が見えて。

やっぱ何言ってんのって思うよね?

 


僕のせいで眠れない?」この問いかけには応えないけど。

 


このセリフの後、彼は結局起き上がって不安を吐露し始める。

それが悪いことだなんて思わないし備えておかなくちゃ考えておかなくちゃ、そんな二人が一緒にいることもわかる。

 


この彼のセリフから、ステージが動く。

彼女も起き上がるけど、これは彼の夢の中なのかな、って思う。

このシーンでだけ唯一彼は彼女のことを「」とは呼ばずに「この人」って表現してた。

あとこの時も、彼と彼女は対極にいた。交わることの無い時間があった。

 


蹴った、蹴られた

これは本当に回を重ねる事にヒートアップしてましたね。

基本形はだいたいマリオ。基本形ってなに?

10日の夜はカズダンスしてたかな。マリオ居なかった。

あとはもう、舞台裏まで走ってったり、ステージ上這いずってみたり。

千穐楽に至っては頭強打して悶えてたり

とにかく楽しそうだった。もちろんこっちも楽しかった。でも頭ぶつけるのはやめてね

 


たまに佳恵さんに嫌がられたり、「帰っておいで」って呼び戻されたり。散々はしゃいで戻ったら佳恵さんは冷静に座って待っててくれたり。

大丈夫?」って普通に心配されてる日もあって。

次のシーンはだいたい神山さん笑ってたし。

もう終わったよね?って感じで振り返ってる時もあった、どうぞどうぞ、って先に進める神山さんもいて。

 


とにかく可愛かったし毎公演めちゃくちゃ笑った。

笑いすぎて脇腹吊った。よく吊る。どうにかしたい。運動不足かな。知らんけど。

 


もし子供が愛せなかったら?」そんなもしも、に不安を抱く彼女の隣に優しく腰掛けて手を握る。

君はいい親になる。わかるよ。」って。

彼女がぎゅっとして欲しいとか、そういうこと、彼が自主的にちゃんと寄り添った唯一のシーンなのかもしれない。

 


結婚しよう」「愛してる」そう彼に言う彼女の顔が顔面国宝級のイケメンで惚れさせていただきました。

勝手に失恋するので放っておいてください。お気になさらず。

 


綺麗だよ

デブじゃない?

デブだし綺麗

そう笑う穏やかな二人の雰囲気も好きだった。

優しいお父さんの顔。優しいママの顔。

 


でもこれはこの時だけ。

なんとも皮肉。

 


外で待ってる」「ここにいて欲しいの

それから彼の「わかった

ここ、大阪より東京の方が彼は「ここにいる」ことを迷ってた気がする。

出産の話の時もそうだし、この後出てくる血管を開いて赤い文字で書く、そんなところでも彼は苦手なんだろうなと。

結局は彼女の望むように、「ここにいる」ことを選んでるけど。

あとここ、大阪は彼女が苦しいような痛々しい表情描写があって、東京ではそこがなくなってたような気がする。

無、に近い、そんな感じ。

 


それから「またタバコ吸えるね」って言葉と、彼の悔しそうな声。

 


これでよかった」「二人で大きく息をする」「二人でシャンパンあけよう」「飛行機でどっかいこう

世界経済が完全に崩壊する前に自分たちのためにお金を使う

こう彼女が言葉を落としていく時、彼女は一度も彼を見なかった。彼を見なかったけど、彼に縋るように触れた。ほんの一瞬。ただそこに居ることを確かめるみたいにただそれだけ。

 


ただ「本当にごめんなさい」って謝る彼女の姿はあまりにも痛々しかった。

違うって言って。安心してるわけじゃないって、嘘でもいいから

ここを最後に、彼と彼女の時間が分断されていく。

 


彼は時計回りに彼女は反時計回りに時間が進む。

彼の時間だけが進んで、彼女は時間を戻そうとしているようにも、彼と彼女どちらの時間もそこからピタリと止まって動けずにいるようにも思えた。

まるで足踏み状態。

彼と彼女の時間は交わらない。彼と彼女の時間が交わるために必要だったものは会話、だったのかなって思うとこの時二人は会話を持ってない。

 


彼は常に彼女に接する時だけは明るく声を作ってた。でも拳を強く握ったり、彼女に話しかけていない時間の中では太ももを強く掻いたり殴ったり。どうにも出来ないもどかしい時間。不安とか、緊張とか、苛立ちとか

 


僕を罰してるみたいだ、僕に怒ってるんだ

怒ってる、でも良かったのかもしれない彼にとっては。

彼にどうしようもなくぶつけていたら、言い合いも何も無いこの時間よりはよかったのかもしれない。

でも彼女はそれをしなかった。

実際彼女は彼に怒ってるわけでも、彼を罰してるわけでもないだろうから。

 


考えて」「助けて

これがこの時彼女が求めてたもの。

ただ黙って抱きしめて欲しかった、それを彼がしてたら、出来てたら、ここで二人が向かう道は何か出来てたのかな。

でも実際彼女が一貫して求めてるものってこの「繋がり」みたいなものなんだよなって。

 


僕にとっても辛いことなんだ

あなたにとってはなんともないことなんて言ってない。あなたと私は同じ、二人とも同じ

彼女が二人を同じ感覚だって表現するのは二人で話しをしていた時と、ここだった。

でもこれはただ「彼にかけるための言葉」ではあるんだろうなとも思う。

二人で話しをしている時は彼女のための、ここでは彼のための、そんな言葉に聞こえた。

 


君はガラスの壁の向こう側にいて手が届かないそんな感じだから

君がどれだけ悲しんで怒っていてもそれは僕も感じてること。

僕達は未来を一緒に見ることだって出来てた。

それが突然強盗に奪われたみたい。

この馬鹿みたいに怒りに満ちた世界で生きなきゃいけない。

なのに僕の好きな人は、僕の親友は僕のことを見てもくれないし、僕も僕の顔を見ることが出来ない。

君が恋しいんだ

だからと言って他の子とキスしていい理由にはならないし他の子とキスした宣言をここにする意味もわからない。

 


僕はとめなかった、言わなかった僕には、なんでたまろう

いや、知らん。

僕には彼女がいる、そう言って他の子を止めなかったかまって欲しい男だったからなのでは?

彼女の視界に入りたかった?彼女の頭の中に入れて欲しかった?彼女に自分のことを考えて欲しかった?

 


ごめんね、何が必要か伝えてあげられなくて。わからなかったの、何が必要か。

何が必要かわからない彼と、何が必要かわからない彼女と。交わらないというか。

でもどちらも、わかるわけないんだろうなとも思う。何が必要かなんて。

 


ただ待っていて欲しかった。我慢強くいて欲しかった。私より勇敢でいて欲しかった。理解して欲しかった。理解していない時でも、一度でいいから引っ張って欲しかった。

流産するってどんな感じか分かろうとして欲しかった。あなたを必死で守ろうとしてること気づいて欲しかった。

何より他の子とキスなんてしないでほしかった。

 


ただ黙ってぎゅっとして、そう言ってた彼女が彼にこうして欲しかった、って並べていく。

我慢強く」「勇敢」「理解」明確、とも言い難いけど彼女の望んだこと。

彼は我慢強くはなかったし、彼女より臆病だった。引っ張るようなタイプではなくて、理解するまでに時間が必要だった。

彼が積極性を出したの、彼女とセックスする時だけでは?って印象が強い。

実際には引っ越そう、って提案してみたり、二人のために何かを諦める事も、自分で考えることだってしている人だった。でもなんでだろう、そう感じちゃう。

 


彼と彼女が再会した日、彼が初めて「君は大丈夫」明確に口にする。

これがこの後数回出てくる、二人一緒にいる時も口にしてた言葉だったのかな。

 


この日、彼も彼女もどちらも「僕たち」「私たち」をあえて「君と僕」「あなたと私」に言い直してたのが印象的だった。

付き合っていた時は「君と僕」「あなたと私」この二人以外に表現しようがなかった「僕たち」「私たち」があえて表現し直さないといけないような関係になってる時間の経過。

 


いや、それは馬鹿だな。

そう呟いた彼のその後の

そうじゃない、つかれてるわけじゃない、寝てるだけなんだから。

これが彼が誰に向けて言う言葉なのかがよくわからない。

 


今は、君と、こうして

悪魔の囁き、的な、それ。

僕は後悔してない

派遣ちゃんとキスした時は?後悔した?してない?

どっちもどっちです…もうどっちもどっち…

 


教えてくれなくていいから彼女の名前

フィアンセ

この間に「彼女じゃない」ってセリフがあった気がするけど、東京ではなくなってた。

 


もう会うのはやめよう

彼女がそう切り出した時、彼は「うん」とは言ってないなぁって。

 


この後公園で彼女を見つけて、彼が彼女に「いいから黙って!」そう、怒鳴るようなシーンで、会場の空気もピシッとしたように感じて、あ、あぁ、私はなんだかすごい人を好きになったんだなって実感した。

ここで実感するのどうなの?って思うけど、この、空気が変わる、ってすごいなって。

 


ところで「彼女にバレると思わなかった」って元カノ妊娠させて逆ギレかます男を演じる神山さんと、「君より15も若いんだ」って身を呈して男を守り抜いた女に言い捨てて若い女と一緒になる男を演じる小瀧さん、どう考えても好きすぎる

 


彼女と話したあと君の部屋に行っていい?そうしたいから、それに、他に行くところがない

ちゃっかりしてんな、ちゃっかりしてますね。

彼女も彼女でどこかでそれを望んでたんだろうな、とは思う。

 


これは僕だけのせいじゃない

それはそう、それはそうだと思う。

彼だけのせいではない、彼女も同じ。彼と彼女はきっと同じ。

きっとずっと同じだった。

 


私は彼女と婚約してない

僕ももうしてない

参ったな、参りました

初めの方にもあったセリフが繰り返されてる。また何か、動き出すような。

そんな前触れのような。わからないけど。

 


彼女はここで彼のことを

嘘つきで未熟で悪い人

って表現するの、彼女が知ってる彼は正直で成熟で良い人、だったのかな。成熟って言うのとはきっと違うんだろうけど、そうなろうとはしていた、ような、そんな。

それにたしかに嘘をつくような場面は無かった

ほら、他の子とキスしたのも言っちゃうし。

 


この「僕たち」からまた世界は二人で動き出してる。

君と僕、なんて言い直さない、君と僕しかいないんだから

 


ここに飛び込めるってすごいな、って単純にそう思った。

一度は崩れ去ってるわけじゃない、信頼とか、そういう関係性が全部。

それこそ全く知らない何かからまた何かを生み出して形も正解も無いものを創り上げていかなきゃいけないそこに飛び込めるって。

 


正しいと思うことをすればいい。自転車でどこへだって行く。もう飛行機には乗らないここに居ればいい

ここで彼女がやっと彼をみて、いつか一緒にいた時みたいに少しだけ、キラキラしてみえた

本当に彼女が望んでたことって彼と一緒にこの世界を生きることだったのかも、とか、そんな風にも思えた。

 


ここで時計回りに、彼と彼女の時間がようやく進み出す

あの時から止まったままだったものが動き出したような、そんな感じ。

二人で同じ方向を見て、二人で同じものを見て

 


彼女は妊娠した時一度目も二度目も

自分の息子を通してあなたのお父さんがそこに見える」「成長して大勢の女がめそめそ泣く

って自分の子が男の子だって前提で話してるのは何でなんだろうなぁって不思議なままなんだけど、実際に生まれた子供に対する接し方もなんとなく男の子なのかな〜って感じがした。

 


君は大丈夫

彼が最後に残した言葉。

この言葉が彼女にとっては「大丈夫」にしてくれる魔法みたいな言葉で、その反面呪縛みたいな言葉にはならなかったのかな。

どうして私の言ったことを繰り返すの

いつかそう言ってた彼女がここでは「私は大丈夫」彼が自分に言った言葉を繰り返す。

それが彼に対して私は大丈夫だよって伝えたかったようにも、私は大丈夫なんだって自分に言い聞かせたようにも思えて。

 


彼が亡くなったあとも、彼女の人生は彼と共に進んでた。

子供が産まれて、成長して、当たり前に自分たちは歳をとって、年老いていって、そんな二人でも二人の心の繋がりだけは若い頃のまんまだったのかも、とか。

 


愛してる

最後はシンプルな言葉で、静かに、息を引き取るように締めくくられていた

最後までどうしようも無く惹かれあってた二人が綺麗だなとも思えた。

妊娠、流産、浮気、別れ、再開、浮気、妊娠、ってどう考えたって最低な男だろって思うのに彼女は最後には幸せそうに穏やかに笑ってた。

とっても不思議。

 


私はこの話を初めに観劇したとき、深夜のドキュメンタリー番組を見た時に似た虚しさを感じてた。

「○月✕日、我々は初めて彼女と出会った」みたいな始まり方をする深夜のドキュメンタリー番組。

世の中のあれこれに触れるドキュメンタリー番組。

こういうの知るの大事だよなぁとは思うけど、理解しようとは考えてみるけど、そこで触れられるものっていうのもただの一遍で結局何も理解には至らないような。

理解の範疇を超えてきてその問題と自分との間に線引きしてしまって触れられないようにしてしまう、みたいな。

 


初めに観劇した時、なんて書いてるけど結局最後までそんな虚しさみたいなものはどこかに抱えてたのでしんどかった。

そんなことを言っている今も正しく深夜のドキュメンタリー番組とか、実話を元にした映画、なんかが放送されてく。

 


そう、初めて観劇した時、11月8日、開演前の緊張が開演で吹き飛んだのって、本当にどこか、画面を通して観てるみたいな、そんな感覚があったからなのかも。

 


でも今となってはこの作品に触れられて本当に良かったと心から思えるし、大切に心に残しておきたいものでもあるし。

 


それになにより面白かった。

円形のステージで、上手、下手、センター、視点が違うと主人公が変わるような舞台だったなって。

彼の表情が汲み取れると主人公は彼になってしまうし、彼女の表情が汲み取れると主人公は彼女になってしまうし。

それにどうしても、神山さんファンなので神山さんの表情を、神山さんの声を抜き出そうとしてしまったり。

それが少しずつ佳恵さんの表情が見れて、佳恵さんの声を聞けて。

それだけでも舞台の印象はだいぶ変わってるわけだし。

 


場面の切り替わりは全て呼吸で、大きく息を吸う、振り返る、神山さん主導で息を吸って、佳恵さんがそれに合わせて呼吸して、って場面もあればもちろん逆もあって。

呼吸で場面が変わる、空気を変える、リセットする

息を大きく吸う、息を大きく吐く。これだけでシーン転換って出来るんだなって。

 


LUNGS、肺、そんなタイトルの意味にもなるほど納得。

 


それに二人の掛け合いスピード感

それこそ二人の言葉が重なってでも進んでくカップルの喧嘩

ここまで重なってくものも初めて触れたから、衝撃。

 

この舞台で好きだなって思ったのは、二人とも二人を指すときに「君と僕」「あなたと私

絶対に、どの場面であってもどんな言い合いをしていても話し合いをしていても「」と「あなた」相手を先行してあげてるところ。

ここがなんだか相手をリスペクトしてるような関係性が垣間見えるようで好きだった。

 


エンタメを浴びた」という衝撃よりは「現実を突きつけられた」鈍痛が走ったような舞台、でした。私にとっては。

なんて、初めに書いたんですけどね、うん、長すぎて覚えてなくていいんです。

結局のところ超ド級のエンタメで殴られてました。

 


舞台ってすごいね。

急に感想小学生。

 


あとほんの少しだけお付き合い下さい。

 


無事に迎えた千穐楽

神山さんは最後にガッツポーズをしていて、その姿を見た瞬間に泣いてしまった。

神山さんのこと好きになれて幸せだなって心の底から思えた。

 


そんなつもりは無かったっていうけど最後に挨拶をしてくれたお二人。

まずは神山さんが佳恵さんにありがとうって伝えていて。

 


今日来てくれた方、今までに来てくれた方、時間が合わなくて来れなかった方にも、この作品を知ってもらえてよかった

自分たちも演じる度心に傷を負っていた

ここからはジャニーズWEST神山智洋として年末走り抜けます

って言うの、やっと神山さんが戻ってくる、って思ったりもした。

自分的には順風満帆ではなかったけど、佳恵ちゃんが参加してくれてよかった

なんかそんな風に挨拶してる神山さん観てたらびっくりするくらい涙ボロボロこぼれてた。

ほんと何の涙なのか意味がわからないの。

それに佳恵さんは「やめて!」って言いながら「ありがとうございました!帰る!あとまかせた!!」って本当に帰っちゃうの最後の最後まで愛しすぎる主演女優さんだった。

可愛い。

 


LUNGS、本当に最初観た時はもう無理、って思ったし、これをあと明日も、なんて思ってた。

でも触れれば触れるほど知りたくなって、こんな長すぎるブログ書いてみちゃうほど残しておきたいものになって。

千穐楽迎えて、「これで終わりだ」って安心感があった気がする。

でももう二人に会えないんだなって寂しさもある。

 


でも結局一番大きかったのは神山さんのファンになれて良かったなぁって誇らしい気持ち

なんだか素晴らしい人に出会って、素晴らしい人のファンになったみたい。

 


残された余白は埋められないままだけど、最後はただのオタクに戻って終わります。

 


神山さんありがとう大好き!!

 

神山さんがたくさんこれでもかってくらいたくさん、メンバーに褒められてたらそれでいい。ね!

 

 

 

『LUNGS』の備忘録

LUNGS

 


2021.11.3-11.9

大阪 サンケイホールブリーゼ


2021.12.5-12.23

東京 東京グローブ座

 


※これはただの一個人が記憶を辿って書き出したものなので細かいところは抜けてたり順番間違ってたりします。

自覚はあります、薄目で、優しい心で見てください。

こここうじゃなかった?って補填はしてくれると喜びます。その時は優しくね。

※役名もないのでMとWで呼んでる、って話もされてたのでm./w.で分けてます。

公開されてるビジュアルなんかではMとFだけど。

 


w.赤ちゃん?!

m.深呼吸

w.将来のため、

m.生活を変えないとね

w.地球のため減らさなきゃ!

m.それはそう、そうなんだけど

 


m.このこと切り出すのは君の方だと思ってたよね

準備できてるよって僕にプレッシャーかけてさ

w.プレッシャー?そんなのかけてない

 


m.たださぁ、ずっと考えてたんだ

w.考えてるならどうしてなんで私に言ってくれなかったの?

m.だから今こうして話をしてる

w.ええあなたは話をしてるわね

m.二人で話をしてる

w.あなたが今ここで切り出した話、

m.僕が今切り出そうとした話

w.あなたが今、ここで切り出そうと決めた話、IKEAで。

 


w.あのパンダ持った子じっとこっちみてる。

m.過呼吸かなぁ?

w.大丈夫よ〜こわくない

 


w.とりあえず列から抜けない?

 


m.もし重すぎるなら箱に戻そう

箱に戻して鍵をかけて君の気持ちが落ち着いたらまた話せばいい

ビビったよね

w.ビビってない、ただ驚いただけビビってないただ…超高層ビルの上から私

m.ビビってる

w.えぇ、ビビってるわよ!!!

 


w.こんなの会話じゃないじゃあこれは何って言われたらわかんないけど

 


w.一旦箱に戻していいかな

m.もちろん

w.ちょっと歩いて来ようかな、10分。車のとこで会おう

 


w.どうしたの?

m.10分って言ったよね

w.ごめんね〜考えたかったのよ。あ、雪。

m.コートも着てないし。ってタバコクサッ。

w.異常気象

m.観測史上一番寒い冬だってさっき言ってた。

一番暑い夏に一番寒い冬。

w.なのにエンジンかけっぱなし?

m.ラジオを聞いてた。心配してる。

w.いらない!

 


w.買いたいもの買えたんだっけ?

m.中戻ったんだけどさぁ…

 


w.赤ちゃん?

m.ずっと考えてたんだ、これは僕たちの、これはお互いの

w.この話はする、するけど今じゃない

m.だよね

 


w.運転していい?

m.もちろん

w.あなたのデモかけてよ

m.まだ出来てない

w.そっか

 


m.じゃあいつが正解なんだろ

w.少なくとも今じゃなかった。ごめん

m.何も言うんじゃなかった

w.あなたは間違ってない、あなたは。いつかはしなくちゃ。

m.だよね。

w.私たちずっと若くない。

 


w.どうぞ

m.どうぞってなに?もう全部言ったよ

w.じゃあもう一回言って聞こえなかったから、私はカートを押してランプを抱えて息もできなかったから!

m.だいたい分かったでしょ!

w.と、思う

m.さっきほどビビらないかもね

w.参ったな、参りました!

 


w.で、どうするの私たち

m.とりあえず駐車場は出よっか

w.なにそれ嫌味?

m.君の意見が聞きたい、そりゃそうだよ

w.そうね、そうよね。

m.どうぞ?

w.意見、意見なんてわかんないわかんないわよこんなの顔面パンチの後に数学の問題を解けって言ってるようなもので

m.顔面パンチ?!

w.だいたいこんなこといきなり人に言うなんてありえないから!

こんなことして私が理性的に答えられると思わないで!言ってることわかるでしょ?

 


w.はいわかりましたはい、そうしましょう

m.僕は質問してるわけじゃない

w.質問じゃないの?

あなたがこの話し始めたよね?

m.どうかな?

w.あなたがこの話を初めてそれに私がはいっていってるの。

 


w.わかった。声に出しながら考えるから私が間違ってることとか馬鹿みたいなこと言っても割り込まないで聞いて。

私に考えさせて。いい?

 


w.それに私だってずっと考えてたよ抽象的なこと言うと私だってずっと欲しかったよ。私はそういうタイプの人間なんだって。

それが人生における私の目的、地球における私の役割なんだって。

でもずっとこんなこと考えてたわけじゃない。

あなたが質問するから、質問じゃないとしても。

あなたがこの話を切り出したからこういろいろ考えてるだけで。

あなたと出会うずっと前、お人形さん遊びしてた小さい女の子だったからこれはこれはこれはつまり、愛とか、そういうものの延長線で、二人が一緒になって、なんて馬鹿みたいに世間知らずだと思うけどずっとイメージはしてた!

と、思う。

 


w.お腹が大きくなるのは楽しみだよ。

ママらしく優しい顔つきになるとか、ミルクの匂い、小さな靴下、ニコニコ笑って、それからそう、吐いちゃったりもして。

そういうのも含めて楽しみにしてた。

あれに子守唄を歌ってあげる、ベビーカーを押す、モビール付きのベッド、はらぺこあおむしとかピーターラビットとか。どうでもいい!それが男でも、女でも関係ない。

それにそこにはいつも父親の存在があって、それはどこの誰かも分からない人で

m.僕は?

w.これは私が人生で描いでいたイメージだから。

 


w.そんなものよりも自分のキャリアのことを考えるようになる。自分のキャリア、自分の研究。

でもちょっとくらい現実的にそういうことを考えるようになる、ちょっとじゃないかも。

ちょっとじゃないかも実際には。

でも私は馬鹿じゃないから!何をするにも真っ当な理由、少なくともいい理由が必要で。

なんでかんでも受け入れたりはしないから!それに疑問を持つことは大切なことだと思ってたし、

だから掘り出す、掘り出すじゃない、掘り出すでいっか、あなたがこのことを掘り出すから

 


w.だってずっと小さいままじゃないんだよ?

愛されるその笑顔も、親指をぎゅっと握るその仕草も。これは生きるための術、っていうか持って生まれた技?

私たちはそれを全部理解出来るようには出来てないから、その

m.重大さ?

w.重大さ、そう、重大さ…よくできましたねぇ

それこそ私の人生の目的、目的?

 


w.残りの私たちの人生なにかに捧げるってこと

この先続くこと、家計、人類の歴史。

私はおじいちゃんのことなんかよく知らないしひいおじいちゃんのことなんかもう知らないから放っておくけどそれにそれにそれなのにその人たちの遺伝子、遺伝的なものがまだこの辺りにあってそれが小さな物を作っていて

m.深呼吸

 


w.ずっと小さいままじゃないんだよ?成長して人になる。人になって自分で考えるようになる自分の服を自分で買うようになって家を出てあなたを嫌いになる!

私は考えながら喋ってるだけだから

 


m.帰ってジンでも飲もう?

w.僕が何も言わなかったことにして

 


 


m.氷いらないや、とって

w.地球もよ、地球も。

あなたは私と同じことを心配してる。

m.そう?

w.こう言われてるの。

本当に地球のことを思うなら、本当に人類の未来のことを考えるなら子供を持つべきじゃない。

m.そうなの?

本当に地球のことを思うなら自殺しろだって。でも私はそれはしないから。

この世界には人間が多すぎるのよ。80億もの人間がいる。だから全てが足りなくなるの。一番いいのはこれ以上それに加担しないこと。

私たちみたいな人間は子供を持つべきじゃないの。

m.みたいな、って?

w.車の運転をする、ビニール袋を使う、エアゾールスプレー、アボカドの輸入、西洋文明。

m.考えすぎだよ。

w.そうね、実際私たちのせいじゃないしあまり知られてない。

でももしこの想像上の小さなジョージとかナオミが世界を変えられるかもしれない。

ゴミ捨て場のオムツの量が増えてコンゴ産のギャップベビーのパーカーが増えてCO2排出量が増えるのを抑えられるかもしれない。若しくは森を育てられるかもしれない。木を植える、森ごと植えちゃう。

 


m.世界にはいい人間が必要だ。

今起こること全てのために。

何も考えない人達に任せておくことはできない。何も考えず次々子供を産むような人達、

 


自分たちの愛のキャパシティを。

つまり全ての問題はこれだろ?

 


w.えぇそうね、そう。え?は?馬鹿だから子供産むって言ってる?

 


m.そうじゃない、いや、そういう人たちも、いる。何も考えない人間がまるでネズミみたいに増殖して

w.ネズミ?

m.頭が良くて、慎重で、知識のある人は子供を残そうと思わない。

だから頭のいい人たちの遺伝子は残らない。

だから考え無しになっていくんだ、野蛮に。

 


w.じゃあなに、地球のことを考えるなら優生学不妊化?抹殺?テストするの?誰が?

m.違う違う、そうは言ってない

 


m.反動主義的な言い方になるけど、政治の話がしたいわけじゃなくて、ちょっと待って、言い直すから。

もちろん僕もそうだけど、思慮深い人たちは完璧な状況が訪れるのを待ってる。でもこの世の中そんな完璧な状況なんてないから。

だからこんな、麻薬中毒者やホームレスや通り魔に溢れたゴミゴミした世界に自分の子供を産み落としたくないと考えるんだ。

 


m.だいたい可笑しいよね車に乗るにはライセンスがいるのに誰でも、

w.やめて

m.ライセンスが必要なんて言ってないよ、言ってない。

 


m.ちょっと過激な言い方になるけど悪魔の声を代弁してるだけだから。

産むべきじゃない人たちも、いる。産むべきじゃない。でも大きな損失とは思わないだろう。たとえそういう人たちが、持てなかったとしても?子供を。

 


m.つまり君が言いたいのはこういうことだろ?

僕は君の言葉を続けただけなんだけど。

 


w.病気になりそう。ううん、そうじゃない病気になる私。

m.君は博士課程だろ?僕の言ってること間違ってる?

w.間違ってないしそう思うこともあるけどあなたの言い方まるで病的で、残酷で。

 


m.僕にどうして欲しいのさ。

w.いいから黙ってギュッとして、そうしたらいいと思うの。

 


m.これでいい?

w.…なら養子をもらおう。そうしない?

どうしてなにも言わないの?

m.うん、全く君の言う通り。世界はこんななんだから。

w.恵まれない愛されない子供たちが大勢いる。

m.でも、理不尽だけど僕はそれはしたくない。こんな事言うのは酷い人間だってわかってるけどそうはしたくない。

w.それが私がどうしてもやりたいことだったとしても?

m.その時は話合おう?

w.けどそうはしないんだ?

m.うん。

 


m.子供が面倒を起こしたり賞をとったりしないと目もくれない父親になるんじゃないかーって心配してる。

w.子供を通してしか生きられない母親にはなりたくない。変わらず本を読んで自分で何かをしていたい。

子供を言い訳に馬鹿にはなりたくないの。

m.君は君のお母さんとは違う。

w.あなたはあなたのぱぱとは違うわ。

m.子供と張り合うとか教育する感じじゃなくて遊べるようになりたい。

w.セックスはちゃんとする。壊されたくないもの、わたしたち。

m.お互いに飽きないカップルだっている。

 


m.子供がやりたくないことは無理に押し付けない。

w.ハープのレッスンとか?

m.でも、習ってよかったと思うようになると思うし、自分で考えるようになる。

w.鬱になったり、一人になるまで考え込ませたりはしない。

 


m.秋生まれの子はスポーツが得意!

w.最高のお誕生日会にしなきゃ、とかハロウィンにピカチュウの衣装を作らなきゃとかも嫌。

ピストルもティアラもダメ!ディズニーは何の役にも立たない。

m.学校はめちゃくちゃ。教育委員会に乗り込まなくっちゃ。

 


w.ねぇ、ほらね、私たち話してる。

m.僕達この事考えるにはまだ若すぎる?前は色んなことしてた。動物園行ったり、クラブ行ったり。

w.今も行くよ。

m.いつ?

w.今日は!

m.今日はダメ

w.金曜!

m.金曜は疲れてるよ

w.水曜!

m.わかった

 


 


w.これよ、この感じ!

m.なんて?

w.生きてるってこと!退屈しちゃうでしょずっと部屋にいると!

テレビ!

m.テレビ?聞こえない!

w.ここすっごくうるさいねー!

もう帰ろっか?

 


 


w.まだ足痛い。前はこういうブーツよく履いてたのに。

m.あ、ラマだ。

w.みんなベビーカー押してる。

m.髭のばそっかな。

w.はい、わかりましたはい、新しい人間を作りましょう。私なりに1週間よく考えたの。

m.え?いいの?

w.いやなの?いやなんだ、

m.いい、いいよ

 


 


m.で?君はいいんだよね?

w.ベッド行こう

 


 


w.ちょっとストップ

m.また?もう何週間も待った、もうなし。

w.でももし

m.もしなんてないもしなんてないからもうそういうのやめてよ

w.私たちはしてるわけだから

m.あぁしてる、してるよ

w.最後まで聞いて、あなたはもっとリラックスするべき。これはきっと綺麗で

m.僕は平気だよ準備できてる

w.あなたはそう、そうね。あなたはそう。それにそうじゃないってわかってるけど、あなたが私に対してぶつけてるみたい、憎しみを

m.君に憎しみなんてない、

w.わかってる、わかってるよそうじゃないって

m.君に憎しみなんてないよ

w.わかってるから誤解しないで

ごめんね台無しにしちゃった

 


m.ちょっと歩いてくる。

w.緊張してるの、それにあなただけのせいじゃないから

m.何がせい?なんの?

 


w.私たちトライしてる。してるの。

それって素敵なこと。素敵だけど怖い。

私の身体に、身体にって言うか、私の中で起こることなの。

なのにまるでそんなものないみたいに私たち。

あなたは考えないの?その先、それともこれって私だけ?

 


w.私たちがしてることは、二人の…

人を、一人作るってことなんだよ。

奇跡…奇跡じゃないけど、奇跡、そう、奇跡。その奇跡を私は感じたいの。

 


w.なのにあなたのそのいやらしい目付き。

m.目付きはどうしようもないでしょ

w.殺人鬼やポルノ映画に出てくるみたいなその目付き。

m.集中してるんだ。

w.こわい

 


m.いつもそう思ってたの?あの時

w.違ういつもじゃないほんと時々

m.今言ったじゃない君ってそういうとこあるよね

w.そういうとこ?

 


m.僕は君が欲しくてたまらないときがある。時々たまらなく君が欲しくなる、この動物みたいなおぞましい目で、欲望?わかるよね?君に入りたくてたまらない時がある。声をあげさせたくなる、少しだけ、傷つけたいのかも。そう、少しだけ。それを君も望んでる。

w.そういう時もある、そういう時もあるよ。

m.君を開いてこじ開けて

w.もう大丈夫わかった、わかったから、ちゃんとした文脈で言うなら大丈夫、それは、大丈夫以上。

 


w.そうじゃないの、あなたはその先のことを考えないの?その瞬間だけじゃなくてその先

m.正直言う

w.うん、正直に

m.正直僕はその一瞬のことだけを考えてる。その一瞬は何も考えなくていい。

僕はただペニスで口で手で君を見て、

w.わかった、わかった大丈夫

m.すごい潔癖

 


w.私が欲しいのは繋がり?あなたが私に対して一方的にするんじゃなくて、二人一緒にがいいの。

知ってる?男の人の脳ってCTスキャンみたいな機械で見ると同じように光るんだって、女の人を見てもスパナを見ても

m.どういうこと?

w.ごめん、

 


w.その目がとてもセクシーだと思う時もある、この肩も、声も、重みもそれに危険で

m.危険?

w.どんなふうに私を求めるのか、この世界のことなんかどうでもいい。爆弾が爆発するかもしれない地震も。でもあなたにとってそんなことはどうでもいいの。あなたと私が宇宙で、そんな風に思ってもらえるのがすごく嬉しいの。

私だってそう、大抵そうなる。

 


w.でもたまに、そんなことないってわかってるけどほんとに時々私の脚をぶった切ろうとしてるみたい。

ほらわかる?

ぶん殴って歯をへし折ってゴミ袋に入れて森に埋めるの。

m.まじか

w.いつもじゃないでも時々そんな風に感じるの

m.まじかよ

w.いつもじゃないしほんと一瞬

m.いいよ

w.言うんじゃなかった、黙っておけばよかった

m.いいって

w.最低

 


w.私何言ってるんだろうそんなこと考えたことないのに。

ごめんただこわくて

あーもう、めちゃくちゃ泣くかめちゃくちゃ笑いたい。ねぇ、面白い話ない?

まだ寝ないよね、まだ暫くは。

話せてよかった、もう1回しよう。

 


m.今すぐには無理

w.そうだよね

m.本読んでくる。テレビかな。

w.隣にいて欲しい?

m.いい、少し寝たら?

w.うん、でもさっき、わかってるんだけどさっき

m.オナニーなんてしないから、そのことが言いたいなら

w.やれることはやった方がいいと思うの、だから、お気になさらず

m.勘弁してよ

w.言ってみただけ。

 


m.わかったよ

w.わかった

 


 


m.おはよう

w.おはよう、機嫌いいね

m.もう春だね

w.朝ごはん作ってくれたの?

m.引っ越そう。海の見える家に行こう。みんなそうするんだろ?

庭があって、小さなサッカーゴールも置ける、子供用プール、トランポリン。木を植えるんだ。君の言う通り、やるべき事をやるんだ。

 


w.結婚しよう

m.考えよっか?

w.したくないの?

m.そんな焦らないでさ

w.もういい。コーヒー淹れるね。

 


m.君は働かなくちゃ

w.働くわよ博士号とったら。

m.二人ともってわけには…

w.あのね、全然フェミニスト的じゃないってわかってるけど私たちこのことを真剣に考えるなら何かを犠牲にしなきゃいけないの。

あなたにはもっとフルタイムの

m.僕はフリーランスでいないと

w.わかってるよ、割引でレコードも買えるし、自由に休めるからライブだってできる。

でも私は働けなくなるんだよ、お腹が大きくなったら。

それから1年目はほとんど無理だろうし。

m.子供を持ったミュージシャンだっている。

w.でも成功してるミュージシャンだって必ずしも…

あなたが成功してない、成功しないって言ってるわけじゃないのよ。

あなたの1番のファンは私よ〜、知ってるでしょ。

 


w.とにかく、もう誰も音楽にお金を使わない。

ほんとに結婚したくないの?

 


m.君の体に起こる、ってどういうこと?昨夜話してる時に君が言ってた。これは君の身体に起こるんだって

w.だって私の体に起こることだから。

 


m.君の言い方まるでそれが傷つくことっていうか、暴力とかテロ行為とか

少しいる?

w.いらない、おなかすいてない。

m.まるで恐ろしいことみたいな。

w.それだけじゃないよ、やっぱり少しもらおうかな。

 


wでもそうだよ、こわい。

私はどうにかその感情と向き合おうとしてるの。

m.それは、残念。

w.これは現実なの。どうしたって変わるの、これから起こることと一緒に。

痛いだろうし、不快だろうし、私の考えはとっちらかってもうめちゃくちゃ。

グッと横に広がって、そう、家になる。胸は張って痛くて。萎んで元には戻らない、わかるよね?

 


w.お腹が大きくなるのは楽しみだよ。エコーとかも。

本物の出産見たことある?テレビとは全然違うから。血だらけで、汚くて、ぐちゃぐちゃで。私はちぎれてボッコボコ。

まるで車に轢かれたみたいに。

芋虫が繭になる時ってこんな気持ちなのかも。

m.僕には出来ない、僕には出来ないんだ。

w.あなたには子宮がないもの。

妊娠出来たら変わりたかった?

m.笑うなよ

w.十月十日暖めて自分の体の中から生み出したかった?

m.そうだよ、もう既に僕たちどこか平等じゃないって感じてる。どんな感じなのか実際僕にはわからないし、わかるよねそれは、けど、

なんでそんな顔で見るの

w.自分の不安な気持ちを話してる

m.ごめん

w.いいの、そう言うの嬉しい。美味しい、もっとある?

m.僕のどうそ

w.いいよ

m.もういらない

w.どうしたの?

 


m.タバコやめなよ

w.はい

m.わからないんだ僕には母親になりたいのになんで未だにタバコを吸っているのか

w.なにかの中毒になったことないのよ

m.そのふたつの衝動って僕からすればまるで

w.はいって言ってるじゃない、はいって、だから黙って

 


 


w.がんばって!

m.君のためだよ

w.私たちのため

m.そう言いたかった

w.スーツ似合ってる

 


 


w.どうだった?

m.ピカピカ新品の大企業の歯車

w.すごい

 


 


m.車で送ってくれる?!

w.いったい何本植えればいいんだろう

m.何本?

w.2週間くらい前に木を植える話してたでしょ、してた。

m.そこ左

w.日本からニューヨークまで一日何本の飛行機が飛んでると思う?2550。

m.2550

w.5年間毎日飛行機でニューヨークまで行って帰ってきてもその二酸化炭素の排出量って子供一人持つより少ないの。

m.またそんな風に考えてるの?

w.一万トンのCO2。それってエッフェル塔の重さだから。

エッフェル塔産むことになるんだ。

m.エッフェル塔産まないでしょ

w.子供が2人になったらそれって倍じゃ済まないの。その子たちがまた生み出すんだから。その子供たちの子供たちがって考えるともう指数関数的に増えてくわけ。

 


w.リサイクルだ電気自動車だエコ電球だって言っても私たちみたいな思慮深い人間が赤ちゃん産むのやめない限り地球はめちゃくちゃ。

これってタブー。本当のタブー。

意味ないの。

m.君は今何を読んでるの。だって情報源は徹底的に調べるべきでしょうデマばかりのこの世の中で

w.爆弾地震核戦争ドンと来い

m.もうわかんないよ

 


w.私たちは自分のちっぽけな生活に囚われてみんなを殺してるの。

m.みんなを殺してないでしょ、みんなを殺してないでしょ!

 


w.生理きた

m.あぁ

w.何も悪いことじゃない

m.もちろん、わかってるよ

w.これからタバコ吸うよ。吐くまで吸うよ。けどあなたにとやかく言われる筋合いないから。

m.仕事休もうか?

w.なに言ってんの初日だよバカ言わないで

m.休めるよ

w.早く行って、でも終わったら早く帰ってきて。ケーキも

m.わかった

 


 


w.なにそれ

m.ケーキ

w.寂しかった

m.なんで…いや、ありがとう。

 


m.でも…

 


 


w.最近すっごく変な気持ち離れてる

m.ごめん一緒にいられなくてもうすぐ査定なんだ

w.仕事について行けたらいいのに

m.毎週曜日決めてランチしようか、火曜日

 


 


m.なにそれ

w.サンドウィッチ。ピクニックでもしたいなぁってこんないいお天気

m.やっべ忘れてた

w.芝生に座ってさぁ、日陰見つけて

m.無理なんだ

w.手作りじゃない買ったの。ドーナツとファンタも。

それからドーナツを帳消しにするりんご。

忘れてたってどういうこと火曜日だよ。

m.打ち合わせがあるんだ

w.昼から?

m.僕が提案したんだ

w.サボっちゃえ、あなたが提案したの?

m.僕たちは木を植えなきゃいけない、会社がたくさん、森を作るくらい。

君がリツイートした論文を読んでる。

 


m.転換点はとっくに超えていて今するべきは適応と軽減そしてあとはただもう心の準備。

洪水。干ばつ。ハリケーン。食糧難。水道民営化。大量絶滅。財政破綻。政情不安。戦争。

絶対的な大災害を回避し2030年までもつのか。

 


m.2030年僕たちの子供は小学校すら卒業してない。

w.私は読むのやめた。

m.一晩で半分まで読んだ。ちゃんと読むとかなり面白いよ、いつ

w.セックス。セックスしよ。

散歩して食べて、ドーナツ食べて、それからどっか場所見つけてさ、人が来ない茂みとか、雑木林とか、公園のトイレとか!

m.公園はダメ!

w.サッとできるよ。打ち合わせにも間に合う。

m.何ドーナツ?

w.シュガーシロップ

m.わかった

 


 


w.さて、さてさてさて

m.久々だったね、声でかいし

w.しなきゃだったの

m.どっからでるのその声

w.どういう意味

m.どう言い訳しようかな打ち合わせ飛ばしちゃった

w.また次があるよ

m.あぁ

w.いいことだよ、頑張ってるのはいいこと。

私たちはいい人間だよね?

m.もちろん、僕達はいい人間

w.どういい人間?

m.とにかくいい人間なんだ

w.でも私たちは信じてないでしょ?

良いとか悪いとか、正しいとか間違ってるとか。

m.そう?

w.私たちは悪を信じてない。

m.悪は信じてないよ、僕たちは人を裁かない。理解しようとする、その人の

w.身になって

でもみんな自分が正しいことをしてると思ってる。

どうやったら確かめられる?

m.そんなこと考えない人だっている

w.ヒトラーとかドナルド・トランプとか?

わかった

m.わかった?

w.確信を持たなくちゃ、傲慢なくらい。

m.僕達は確信してる!僕たちは悪い人間じゃない。

w.こういうこと聞いていいよね?

m.もちろん

w.よかった

m.仕事戻るね。

w.うん、愛してる

m.こんなによく考える両親の元に産まれてくる子供は幸せだよ。

w.リサイクルする?歯磨きの時蛇口は閉める?デモに参加する?リサイクルする?

m.自転車に乗る、エコバッグを使う

w.大きなチェーン店じゃなくて小さなコーヒーショップを応援する

m.泥水みたいな味でも?

w.そうだった、ごめん

 


m.また夜ね。温かいお風呂入れてあげる。

それからゆっくり話しない?

 


 


w.もっと熱く

m.わかった、足退けて、火傷しちゃうから

 


w.私たちは良い本を読む、ドキュメンタリーをみる、字幕付きの映画を見る、古典を読む、リサイクルする。

m.僕たちは自転車に乗る、フェアトレードの商品を買う、エコバッグを使う。覚えてれば。

w.寄付する。なに?

m.なにも?

w.寄付する。チャリティーラソンに参加する。1回出たことあるけどまた出るの!

m.僕は何も言ってない

w.寄付する。嘆願書に署名する、記事をリツイートする、税金をちゃんと払ってないところは使わないようにする。

m.僕は何も言ってない

 


m.別に何かを手に入れることに罪悪感を抱くべきじゃないの。俯瞰的に見れば私たち全然贅沢なんかしてない。

プライベートプールとかスポーツカーとか。結構質素に生活してる。

お金を使うのは、食べるものと本とNetflixとたまの休日に出かけるのと家賃。

それにやみくもに使ってるわけじゃない。

 


w.もっと寄付とかできたらと思うけど、もっと貢献出来ればいいのにって思うけど、

m.わかった君は

w.私おかしくなってる?

m.どこか違う領域に行っちゃってる

w.ホルモンの関係で、ホルモン、どこかの化学物質、

 


w.ちょっと座って落ち着いてくる。

 


w.これってどうかな、コンビニってコンドームは売ってるけど妊娠検査薬はどうかな?

m.見てこようか?!

w.聞かないで、言わなきゃダメ?たまにクロスワードを見るような目で私の事みてる

早く行って!見てきてよ!

どうして靴履いてないの?

なんでそんな目で私の事見るの

m.これもホルモンのせい?それとも今はただ感じ悪いだけ?

 


w.これで妊娠してなかったらどうしよう、こわい

m.それってつわり?それともあれが来ない?

w.ずっとちゃんと来てたのに今日何日?

13、14…映画観に行ったのいつだっけ、あなたは気に入って私は途中で寝たあのくだらない映画

m.あの映画好きじゃなかった?!

w.3週間…4週間…5週間あぁだめだもうとっくに来てるはず行って!

何でまだそこにいるの?

私も行く、

タオルとって、

キスして

 


 


m.どれくらい待つの?

w.30秒…1分、2分、3分待とう念の為

m.1分ごとに見てみよう、だったらずっと見てればいいか

w.後で持ってくから

 


w.そこに居たらできない

m.僕の前でおしっこしてたじゃない

w.そうだけどこれじゃ緊張してできない!

m.水持ってこようか?

w.お願い、これってそうだとしたら

m.じゅわーっと出てくるかってことだよね?!

w.説明書には書いてなかった

m.本当にここにいちゃダメ?

w.こんなの神秘的なことでもなんでもないから、プラスチックの棒におしっこかけるだけなんて

m.僕は見ていたい全部、みていたいから、全部

w.わかった、わかったから、水流しといて

m.ジャー?それともちょろちょろ?

w.ごめん

m.いや水出しっぱはダメだよ!

w.ちょっとくらい地球のことかんがえるのやめられない?

 


w.よし

 


w.どれくらい経った?

m.30秒

1分

2分

3分

 


 


m.僕の電話どこ?

w.ご両親のこと嫌いじゃなかった?

m.そんなことないよ

w.そう、私は嫌い

なんていうかウチのとは感じが違うから。

自分たちがあの人たちと遺伝子行動を共有してると思うと、自分の息子の目を通してそこにあなたのお父さんが見えると思うと、なんでもない。ある意味好きかも。

ごめんね、ただ機嫌悪いだけ。タバコ吸ってないし機嫌悪いだけ

学校の初日みたいな、世界がただ大きくなっていく。

 


w.でもまずは最初の電話をして、それから他にも。

m.自分のところに1番に伝えたいんだね?

僕のところより先に?

w.ええそうよ?

 


m.本当に僕の両親のこと嫌い?

w.嫌い

m.絶対にウチに泊まらないよね

w.あなたのご両親はそれなりに立派な人よ。でも調子を合わせるとなるとちょっとね。

泊まりなんかしたら私自分が心配で。

あなたのお父さんの首元にハサミ突き立てちゃうんじゃないか〜って、そんなふうに感じない?

m.えぇ?君の両親に?

w.えぇ。は?なんで私の両親にそんなこと思うの?

m.そんなこと思ってないよ

w.気をつけて!

 


w.なんだろうキリキリする。悪いことしたみたいな

m.悪いことしたなんて思わないで!

これは、そう、秘密、ふたりの秘密だから。

w.そう、秘密。

 


w.背筋がゾッとする。すごい鳥肌、震えも止まらない見て

m.顔色悪いよ?

w.思ったの、ここにはもうあなたと私だけじゃないって。

あなたと私と、それからこれが、今はここに。

半分あなたで半分私で半分全く新しい、

それなのにあなたいつもと全く変わらない。あなたも何か感じてるでしょ?

それとも私がちゃんと見えてない?

m.そんなことないよ。でも、まだしっくりは来てない

w.そうね、わかるわかる。しっくり来てないってどういうこと?

m.覚悟はしてたけど、心の準備はしてたけど、いざこうなってみると

w.衝撃?

m.そう、衝撃。台風の目っていうか。

w.いいのいいの。別にどう感じなきゃいけない、って決まりはないから

m.僕は、幸せ

w.そう、それはよかった。

m.僕は君を見てる、君から受け取ってる、君は

w.騒ぎすぎ?

 


m.君のご両親に電話する?

w.うん

m.そうじゃなくて、するべきなのかな

w.どういうこと?

m.言うじゃない、まだすごく初期だし、言うじゃない、妊娠の4分の1は

w.今考えなきゃダメ?流産なんて言わなきゃダメ?ちょっとくらい無敵で無鉄砲になれないかな?

ちょっともこの完璧で小さな幸せのシャボン玉の中にいちゃいけないの?

 

m.僕たちこの言い合いをやめて、

w.言い合いじゃない。話し合い
m.このままお互いのことを傷つけるんだとしたら僕たち一旦この事は置いておいて、

w.やめてよ爆弾落としといて平和交渉しようだなんて

m.僕たちもう親なんだよ

w.うん、わかった

m.ハグにする?

w.それはまた、今は気分じゃない

m.君のご両親に電話しよう

w.うん、後でいっか、ね。

 


 


m.それで、お母さんなんだって?

w.喜んでたよ、喜んでた

m.けど

w.けどなんてない、けどなんてないから

m.僕とは話したくないって?

w.そんなこと

m.僕におめでとうって?

w.泣いてた

m.嬉し泣き?

w.わからない、なんの涙だろ。言ってたこと本当じゃないと思うの。

m.なんて言ってたの?

w.私があなたを愛してることは知ってる。

m.なんて言ってたの

僕との子じゃなかったらよかったのにって?

w.そんなこと言ってない

m.でも実際君は僕のを妊娠してるんだ。だからとやかく言うなって話だ。

クソ女クソ女クソ女。

w.やめて

m.僕はつまらない野郎だって。君が言ったんだ

w.言ってない

m.放射線についての本を読んでますって

w.言ってない

m.だから食糧難やCO2排出権取引の話をしたんだ

w.確かにそれはつまらない

m.君の本だ

w.ママは何も言ってなかった!

m.電話貸して

w.はい

m.お母さんに電話する、

w.どうぞ

m.お母さんが間違ってるって証明するんだ

w.どうぞ

m.電話するよ

w.どうぞ

 


w.どうぞ!

 


 


w.こっち来て、なにしてるの

m.眠れない

w.目を瞑って、頭のスイッチを切るの

m.何時間もそうしてる。

眠ろうとすると最悪のシナリオが頭の中をぐるぐる巡って。爆弾とか大陸が海に沈むとか、

w.不安なのね。

m.そうじゃない、

w.くだらない映画の観すぎ

m.僕たちは話し合っておくべきだった

w.あのね、こういうことなの、産まれてくるまで分からないの。完璧なのができるまで水に流して初めからなんて私は嫌。

私はなんだって欲しいの。骨がなく生まれても、足がなくても、顔がなくても構わない、ただの皮膚のかたまりが泣き叫んでいるのでも私は構わない。映画のイレイザーヘッドに出てくるみたいなのだとしても私のだから、私たちのだから。

私たちの一部だからだから私たちはそれを愛するようになるし、

そうだよ、私たちは愛するようになるそれがたとえ

たとえどうでも。

 


m.眠らなきゃ

 


m.若い時にもっと本を読んでおくべきだった、もっと色んな人と寝ておくべきだったのかも。

もっといろんなところに行っておくべきだった。これからは大変だからね、

これは終わりじゃない、僕達はまだ若い、わくわくするじゃないか。

 


m.僕のせいで眠れない?

 


m.自分が目を瞑っているのかどうかもわからない。

部屋に転がる物の一つ、ほんな僕のこと誰が見るんだ。

穏やかな顔してたら皮肉だよな、僕の死に顔。

考えずには居られないんだ、これから起こること全部。

それは僕たちが生きている間に必ず起こることだから。

 


m.君が話をするとき、僕は君から目が離せない。

君は正直で、だから時々傷つくこともあるけど。

僕は君というの陽子の核、だよね。

僕はまるでいかりか何かで結ばれてそこから動けないことがあるんだ。

君はまるでお腹を空かせた野生動物。うなりながら僕の周りをグルグルまわってる。

そして君はそこにただじっと立つ僕を信頼してる。でも僕は本当に他にどうしていいか分からないだけなんだ。それを君は勇気かなにかと勘違いしてるんじゃないかって。

 


m.夢を見たんだ、子供が生まれたけどそれは小さな雲だったーって、小さな雷雲。もしくは牙と鉤爪。

 


m.本棚から本を持ってくる、どの本にもに君がアンダーラインを引いたあと。

余白には星が書いてある。

君がハイライトした文をじっと見つめる。

その段落をもう一度読んでみる。

僕には見えない何がこの人には見えていたんだろう?

僕が理解していないことはなんだろう?

 


 


w.寝なさい、

m.今何時

w.いびきかいてたよ

m.何してるの?

w.吐いてるの、気持ち悪い。目の中の血管全部切れたみたい

 


 


w.どう?

m.わかるよ、デカい

w.デカい?私はそうは思ってなかった。

m.ちがう、そうじゃない、わかるよね?

蹴った

w.蹴った、蹴られた

 


 


w.ネットによると私の子宮はグレープフルーツサイズ。どうしてなんでも食べ物で喩えるんだろう。赤ちゃんはレンズ豆の大きさです、ピーナッツ

m.お腹すいてるの?

w.ペコペコ

m.ご飯作ってあげる

w.ベーコンと洗濯洗剤

m.ベーコンだけにしとこ?!

 


 


w.目を瞑って

m.何したの?!

w.子供部屋

m.緑?!

w.ピンクとか青とか黄色はいやだったから

m.大家さんは知ってるの?!

w.小さな木も描いたの

 


 


m.チリチョコレート買ってきた

w.サイコー

m.公立の学校調べてるなんてどうかしてる?

w.知りたい?男か女か、それとも

m.産まれるまで楽しみにしておくべき?

w.それだけで十分特別な日なんだけど

m.楽しみで待てない

 


w.こわいの。

もし愛せなかったら、顔を見ても小指を握らせても愛せなかったら、そういうことだってあるよね?

自分がどうなるか分からなくてこわいの。

m.君は良い親になる

w.分からないじゃない

m.わかるよ

 


w.ありがとう、そばに居てくれて、ワガママ聞いてくれて

 


w.結婚しよう。

m.古臭い考えだって、こういう考えに反対なのも知ってる。

愛してる。あんまり伝えてこなかったけど。

 


 


m.綺麗だよ

w.デブじゃない?

m.デブだし綺麗

w.もっと大きくなるよ、そう、地球みたいに

だから、覚悟しといて

m.わかった

 


w.痛い…

m.なにそれ

w.やだ血

m.病院行こう

 


w.耐えられない

m.外で待ってる

w.ここにいて欲しいの

m.わかった

 


 


w.またタバコ吸えるね

m.そんなこと

w.コーヒー飲むけど小銭ある?

m.鍵貸して

w.私病人じゃない

 


w.これでよかったのよ、私たちの残りの人生誰かに乗っ取られるところだった。

上手くいかないかもしれないのに。

心配で不眠症になるか現実逃避。

増やさなくてよかったのよ、この混雑した世界に迷える人間をひとり。

二人で大きく息をするの。

シャンパン開けよう、飛行機でどっか行こう。

世界経済が完全に破綻する前に自分たちのためにお金を使うの。

暴動があったら参加しよう、ぶっ壊そう、火をつけよう。赤ちゃんが乗ってますシールの付いた電気自動車をみたら偽善者を道路に引き摺りだそう。

自分たちがどんなダメージを与えてるか、

本当にごめんなさい

何がいけなかったの?

 


m.帰ろう?

w.違うって言って。安心してるわけじゃないって、嘘でもいいから。

 


 


m.少し眠るんだ。

 


m.ここにいるよ

君の起きる音が聞こえたから

君は寝ちゃったから、僕がここに運んだんだよ

おやすみ

おはよう

お茶入れたよ

仕事のあとまた来るね

 


m.一日中ずっとそうしてたの?

暗くなってきたね

明るくなってきた

ベッドに行こう

君は寝ちゃってたんだ

起きたら君はいなかった

 


m.もう何日も話してくれてないね

赤ちゃん、乗り越えなくっちゃ

w.やめて

m.僕を罰してるみたいだ

w.お願いやめて

m.僕に怒ってるんだ

w.そうじゃない私、そうかも怒ってるこんなの全部大っ嫌い

 


m.もう一度トライしようよ

w.無理、私は今はあなたの顔を見たくない

 


w.私たち一緒にいるべきなのかな

別れたいから言ってるんじゃない、自分がどうしたいかわからないの

m.僕は自分がどうしたいかわかってる

w.私たちのことを考えるいい機会なのかも。

m.いい機会?

w.あなたにはただ黙って抱きしめて欲しかったけど

ちがうやめて今じゃない

私に言われるからするんじゃなくて、そんなのいらない。

m.ごめん

w.謝ってばっかり、わかってないでしょ自分が何に謝ってるか。

 


w.一人にして

m.一人?

w.そうよ一人、ホームアローン!どうしてあなたは私の言ったことを繰り返すの!

m.ごめんでもまだ考えられなくて

w.考えてよ、

m.必死に追いつこうとしてるけど、時間が必要なんだ

w.助けてよ!

 


m.僕にとっても辛いことなんだ

w.やめてそんなこと言ってないあなたにとってはなんともないことなんて言ってない

m.ヒントがほしいんだ

w.あなたと私は同じ、二人とも同じ

m.少しでいいからヒントがほしい

w.泣かないでよ

m.君はガラスの壁の向こうにいて手が届かないそんな感じだから

 


w.世界にはもっと問題を抱えてる人たちがいる。

こんなのはそこら中でみんな乗り越えてる。

またトライすればいい、それが私たちの本当にやりたいことなら。

m.そうだよ

w.そうかな、全身の皮が剥けたみたい

 


m.他の子とキスした、新人の、派遣の

彼女とっても良くしてくれたんだ、2人で音楽の話をした、それから彼女がキスしてきた

僕は止めなかった

言わなかった僕には、なんでだろう

 


m.君がどれだけ悲しんで怒っていてもそれは僕も感じてることなんだ

僕たちは未来を一緒に見ることだってできてた。なのにそれが突然強盗にあって奪われたみたい。

この馬鹿みたいに怒りに満ちた世界で生きなきゃいけない。

なのに僕の好きな人は、僕の親友は僕のことを見てもくれないし、僕も僕の顔を見ることが出来ない。

君のためだったら腕を切り落としてもいい、目をえぐり出したって構わない。

君が恋しいんだ。

レストランで君の前に座りたい。一緒にワインを開けたい。一緒に映画を観て君の手を握りたい。公園を一緒に走りたい。

もう一度トライしようよ、養子だっていいかも。

どうして笑顔なの?

 


w.久しぶりにスッキリした。

私はずっと悲しい。本当にずっと悲しい。

この悲しさがなくなる日が来るのかもわからない。

 

w.ごめんね、何が必要かあなたに伝えてあげられなくて。わからなかったの、何が必要か。


w.あなたにはただ待っていて欲しかった。我慢強くいて欲しかった。私より勇敢でいて欲しかった。理解して欲しかった。理解していない時でも、一度でいいから引っ張って欲しかった。

流産するってどんな感じか、分かろうとして欲しかった。あなたを必死で守ろうとしてること、気づいて欲しかった。

何より他の子とキスなんてしないでほしかった。

私たちのこと考え直そう。

私たち子供いなくてよかったね。

 


 


m.久しぶり

w.いい感じ

m.君もいい感じ

w.やめて、ありがとう。来てくれてよかった。

m.それは、もちろん。でも驚いたよ、スターバックス?君らしくなかったから

w.他に誰に言ったらいいかわからなくて。

ままあなたの事気に入ってたから

m.嫌われてると思ってた

w.そうね

m.お葬式はどうだった?

w.明日、だから一緒に来て、来る、いや、もし来たいなら

m.是非、君がそうして欲しいなら

w.そうしてほしい

m.聞かなくていいんだよね

w.聞くって何を

 


w.私たち2人とも変わった。タバコ辞めたんだ。

m.へぇ

w.あんなの最低、今は調子いい。

m.僕は吸い始めた。

w.なんで

m.かっこいいかなって

w.ダメだよ

 


m.学校は?

w.うん、終了

m.じゃあ博士だ

w.まぁね

 


m.僕の親父も死んだ、3ヶ月くらい前

w.そう、知らなかった

m.僕はわからなかったから、君が

w.そうね、

もうすぐ私たちだけが取り残されてく。

もう随分大人になっちゃって。

ちょっとだけ心に刻む。カシャ

m.大丈夫、

w.あー、最高なにやってんだろ。ぐしゃぐしゃだよ。自分に約束してたんだけどな。

m.大丈夫、君は大丈夫だから

w.あなたは大丈夫?体調は?仕事は?全部大丈夫?派遣の子は?

m.あれは、そうじゃなくて、全然そういうんじゃなくて、あれは、あの時だけ

w.そう

m.君と、あぁなってから、残ってなくて。直ぐにって言うのは。

君は?

w.ほんとにこの話聞きたい?私は聞きたくない。あなたのあなたの、セックスライフとか。

m.そうだよね。

w.つまり一緒にいるわけじゃないのね、派遣ちゃんと

m.違う、違うよ今一緒にいるのは

 


w.そう、そっか。私なに期待してたんだろ

m.期待?

w.天気の話とかし出す前に帰るね

m.めちゃくちゃだよな

w.え?あぁ、めちゃめちゃだよ

m.どこも閉まってる。都会はもう対応出来なくなってる。

w.すぐ倒れちゃう。

m.え?

w.脱水症状?だから水を持ち歩いては居るんだけどすぐ無くなっちゃって、2本持ち歩くことにしたんだけどとにかく重くていつも水をこんなに。

m.わかるよ。

 


m.昔は何も考えない人に腹を立ててたけど、今はその人たちのことがよくわかる。

自分にはどうにもできないことは心配しなくていい。

また音楽始めたんだ。友達のバンドで。打ち込み系ってやつ、最近の流行り。

 


m.僕たち、君と僕がああなってから、僕はどんどん馬鹿になってる気がする。

目が覚めたみたい。こんな風になるんだって。

どの本を読んだらいいか分からないし、どうやって考えるのかも忘れた。今はほとんど読まない。運転だってすると思う。

いや、それは馬鹿だな。

そうじゃない、つかれてるわけじゃない、寝てるだけなんだから。

運転してる時だって、誰が運転してるのかわからない。

自動運転の車に乗ってるみたい、まるでゾンビ。

20分前のことも思い出せない。そんな日が何日もある。

でも今は、君と、こうして

 


 


w.さて、さてさて、最悪

m.僕は

w.最悪

m.僕は後悔してない

w.そう、え?

m.後悔してないなに?なに?

w.私は浮かれちゃったみたい一瞬だけ忘れてたから、彼女のこと

m.僕は

w.大丈夫わかってるから

m.僕は考えてなかった

w.話をしてて、そういう感じになって、少なくとも私はそうだから

m.そういうこと、そういうこと。けど

w.けどってもうやめない?

少しだけここに寝転がって、昔の私たちに戻った振りをして。

新聞を取りに行って、近くのカフェでランチして、ダーツしたり。本の話とか、私の説明が悪いとか我が強いとか。わかんない、老人の自発的安楽死。あなたの靴下とかまだ引き出しに取ってある。

息が詰まりそう。ここ息が詰まる。窓開けたいんだけど外も空気悪くて。

あなたと別れてから誰とも寝てない。言わなくていっか。いいの、いいのあなたが2人と寝てたって。

え?もっと?

m.だって君と別れてもう

w.いいの、何人?

m.知りたい?

w.知りたい、やっぱり知りたくない。

努力してみたの、飲みに行ったり。でもあいつ、最悪だった。

教えてくれなくていいから彼女の名前。

m.(彼女じゃない)

m.フィアンセ

w.そう

 


w.もう会うのはやめよう

 


 


w.びっくりした顔してる

m.もう会わないって言ってたから

w.なのに会いに来ちゃったなんでだろ

m.雨だよ?!

w.私変わった

m.変わった?

w.見た目?輝いてるって言うのかな

m.それってもしかして

w.そう、考えてきたのはここまで。

ここから先はあなたが男らしくどうにかしてくれるかなって。

スーパーマン私はここよーって

中に入れてくれない?びしょびしょなの。

あなたがなにを言ってもこれは産まれてくる。ズドンと落ちてぬるぬるで産後はもがき苦しむの、

せめて中に入ってもいいかな。

m.後で話せないかな

w.喋るの?

m.君のところに行くから

w.彼女ここにいるのね、私最低、行くわ

 


 


m.ここにいると思った

w.どうして?

m.ほかは全部見たから

w.私のことよくわかってるのね

m.夜こんなところにいたらダメだよ

w.あの辺のトイレでセックスしたよね、打ち合わせサボらせちゃったよね

m.僕はするべきことをする君のことをサポートしたいと思ってる

w.サポート、ご立派

m.ちょっと黙って、そうやって喋られると考えられなくなるから

w.いいえ黙らないあなたは何も考えなくていいあなたは思ってることを言えばいい感じてることを言えばいい

m.フィアンセに話さなきゃ

w.それから?

m.いいから黙って!

ごめん、ちょっと考えたいんだ、ありがとう

それから、わかった、よし…わかった

結婚しよう

w.いや

m.なんで

w.理由一、あなたは他の子と婚約してるから

理由二、こんなのごめんね悲しき人類20万年の歴史で最もロマンチックじゃないプロポーズだから

理由三、したくないから

だいたいあなたの意見なんか聞いてないどうでもいいから。

私はこれをこのままにするかも決めてないから。

m.そんなことしないよね

w.決めてないの

あなたはそう、死んだらいいと思ってる、問題は片付けちゃおう、問題なのこの、生まれてもない人間が!

あなたが死ねばいいのに。私が死ねばいいのに。

地震が来ればいい津波

m.君の選択ならなんだって支える

w.フィアンセに電話して

m.電話じゃ言えないよ

w.愛してるのね

m.電話で言われるなんてあんまりだろ

w.元カノを孕ませる男にはもったいない。

m.いい子なんだ。

w.彼女をとっても愛してるのね。

m.あぁそうだよほんとに、フィアンセなんだ、3ヶ月後に結婚する、

w.帽子買わなきゃ

m.結婚する、はずだった。当たり前だけどもう出来ないから。

w.それで?うちのソファーで私とヤッてるといも彼女を愛してた?

m.あぁ

w.私の中にいれてる時も彼女を愛してた?

m.あぁ

w.つまりあなたの精子が私の卵子に受精してる間もあなたは彼女と一緒にいたのね。

泣きすぎて目の下の血管全部が切れた

m.彼女を愛してたんだ!

w.何も考えてなかっただけよ

m.彼女にバレると思わなかった!

 


w.わぉ!ならなにも問題ない。あなたは彼女を愛してた。幸福とか彼女のことよりもほんの少しだけ射精するのが大事だっただけ。

そしてそれは遂に出産という奇跡を起こす。

成長してたくさんの女たちがめそめそ泣くことになる。

電話貸して。彼女に電話する

m.だめだ

w.あなたとセックスした時、あなたがとても寂しそうに見えた、私に会いたかったんだって。見たことも無いあなたのフィアンセは最低な女に違いないって。でもきっも素敵な人なんでしょ。

電話貸して、彼女に謝りたいの。

m.いやだ

w.ずっとずっと彼女が夢見た結婚式。そこに私が現れて、このクソみたいなお腹は一分一秒大きくなっていく。

彼女の拠り所は全てデタラメ。

彼女きっと飛び下りるよ。下敷きになった電車のアナウンス。私ならそうする。そうするから。血管を全部開いて大きな赤い文字で壁に書くの助けてくれるな!電話貸してよ!

m.いやだ

w.私なんでこんな人間になっちゃったのいい人間だったのに今じゃ悪魔。そう、私は悪魔電話貸して本気で言ってるの。

m.いやだ

w.そうね、あなたの言うとおり私には上手く出来ない。

m.彼女と話してくる。今しっかり。

彼女と話したあと君の部屋に行っていい?

w.どうして

m.そうしたいから、それに、他に行くところがない

w.わかった

 


 


w.血出てる

m.彼女がブチ切れて、蹴って殴って馬乗りになって

w.彼女にやられたの?

m.耳の下を指輪が

w.いいじゃない、彼女にはその権利あるよ。その権利ある。

あなたの体を使い物にならなくするくらい。

あなたのちんこを切り落としたっていい。

m.でもこれは僕だけのせいじゃ

w.ええ実際そうよそう、あなたのせいよ、

m.これは僕たちの

w.私は彼女と婚約してない

m.僕ももうしてない

w.参ったな、参りました

 


m.で、僕たちどうするの。普通に戻る?

w.普通?普通ってなに、なによ私たちカップルじゃない。私たちは私たちは戻れない。前みたいになんて。

ここから新しく始めなきゃ。もしそうなったとしたら。

私はあなたのこと知らない、あなたはもう全く知らない人。嘘つきで未熟で悪い人

m.でも思ったんだ

w.やめて、こんな風に時速200キロで飛ばされても考えられないから一息つかせて

m.考えたらなにもしなくなるから

w.するってなに、なにを

m.これ、僕たち

完璧な状況じゃない。でも飛び込んでみようよ。考えすぎると何もしなくなってしまうから。

君と離れてる間僕は楽しむことを忘れてた。

いつだって君を愛してた、いいね?

僕達はお互いを傷つけずに一緒にいる方法を見つけられなかった。僕はそれを見つけたい。

君は僕の心を切り裂くようなことはやめなきゃいけないし、僕はもっとまともな人間らしく行動する。

聞かなくても何を考えてるかわかってるかわかって欲しかった、僕の頭の中にいれてほしかったって、今なら君が何を言って欲しいのかわかる。それは僕が考えてることと同じだから。

 


m.僕たちは一緒に年をとる、笑う、振り返る。だってまるで違う人生みたいだろうから。

それから話をする。

正しいと思うことをすればいい。自転車でどこへだっていく。もう飛行機には乗らないここにいればいい。

森を植えるんだ。本気だよ。

君と僕。君と僕、それからこの小さな点。

地球に解き放たれようとしてる一万トンのCO2。僕たち三人で。

いいね?

w.ありがとう、それが聞きたかった。

考えてみる。

 


 


w.どんどんはやくなってる

m.2分おき

w.ここにいて、こわいの

 


m.カメラ忘れた

 


m.すっごくかわいい

w.抱かせて

m.もちろん

w.私たち家族だね

 


m.すごく疲れてるんだ

w.あなたの番でしょ

 


m.この子も連れてく?

 


w.この子もできるようにならなくちゃ、どの本にもそう書いてある!

m.だね

 


m.全教科いい成績

w.ほんとにすごい

 


m.カメラ忘れた

w.ほら!きた!

 


m.泣くなよ

w.お泊まりしたことないのよ

 


w.あの子にそんなもの見せないで!

m.大丈夫だよ

 


m.あの子と話しをしてくる

w.父親から言ってもらわなくちゃ

 


m.週末出かける?

w.あの子が出発する前に

 


w.カメラ持った?

 


m.備えておかなくちゃ

w.言われてるほど悪くはならないわ

 


m.あの子から連絡がない

 


w.フライトは全てキャンセル

m.すごく暑い

w.地球はめちゃくちゃ

 


m.あの子すっかりかわった

w.役に立ちたいのよ

m.僕達なら大丈夫

w.私もあの子にそういった

 


m.よくある手術だよ

 


m.歳を取ればこうなる

w.あの子が送ってくって

 


m.僕はきっと良くなる

w.こわいの

m.君はとっても勇気がある。

君は、大丈夫

 


w.あの子がホームを見つけてくれたの。クラスとかもたくさんあって、アートとか。

あの子の近くだからここからはうんと遠くなる。

 


w.時々あの子に叱られるの。どういう感じかわかるでしょ?

 


w.たくさんの人が私に怒ってる。今こうして生きている私たちに。

あの人たちが何に怒ってるか、何にそんなに腹を立ててるかわからない。

 


w.あなたの森は無くなってしまった。

もうニュースは見ないけれど、状況はどんどん悪くなる。

全てが灰に覆われていく。

 


w.あの子に埃を立てるなと言われる。ぶつのよ。

もう疲れた。

 


w.でもわたしは大丈夫。

色々言うけど聞いててね。

 


w.お花を取り換えよっと。

 


w.あなたと話がしたい。

 


w.今日は昔みたいに気持ちがいい。涼しくて、サイレンの音もない。

 


w.寄ってみただけ。

もうあと何回ここにこられるか分からないから。

 


w.愛してる。

 

 

ジャニーズWEST新曲『春じゃなくても』を聴いたはなし

 

 

ジャニーズWESTさん新曲

『春じゃなくても』のショートバージョンを聴いた。

 


人に会いたいという気持ちが爆発した。

 


何となく過ごしている日々に、何となく慣れてきた今。

 


朝起きる、朝ごはんは食べたり食べなかったりして、仕事に行く、昼ごはんは決まってインドカレー、緊急事態宣言による時短営業でいつもより2時間、3時間はやく帰宅して、バラエティやドラマを見て、日々誰かが頭を下げて日々誰かを責めて日々誰かが感染していて、そんな情報を得る番組を夜にみるのは少しばかりしんどいので自分の心を守るためにWESTさんのライブDVDをみて、深夜3時、4時に寝る、そして朝起きる。

 

 

家族、職場の人、お客さん、店員さん、もちろん生きている上でいろんな人と接してはいるけど、圧倒的に足りないものが共通言語での対話

 


どのジャンルだって構わない、オタク同士の共通言語での対話。

地元の町おこしお兄さん、ジャニーズ、Kポ、ダンサー、アニメに漫画になんでもいい。各々自分のいいと思ったものをいいと思ったように好き勝手にでもたまには確実に相手の趣味趣向を捉えたプレゼンをしてみたりする。

 


振り返るとそれが欠けたことはここ数年なかった。

気の合う仲間との共通言語での対話。くだらないことから真面目なことまで、なんでも話せてしまう共通言語。

 

また明日ね、なんて数時間後の約束をして別れることも少なくはなかった。


家族に言えない言葉も職場の上司にはかけられない言葉もグッと飲み込んだ言葉もなんとなく吐いてしまえる共通言語を持つ友人との対話。

 


人と会えなくなってからこれが大切だったと気づくまで時間はかからなかった。

自分の中から少しずつ少しずつ何かが欠けてくのは明らかだったから。

 


漠然とした不安と不満の中でもきっと人と対話出来ていたらなんとなく笑って過ごせてたかもしれない。でもそれが出来ない日々をなんとなく過ごしてしまっていた。

 

 

これ、しんどいな。

 


それが『春じゃなくても』を聴いた瞬間、なぜか爆発した。

 


涙が出た。

 

 

なんとなく過ごしている、人に会わない対話のない日々をあの瞬間実感した。

 


胸の真ん中あたりをぎゅうっ、と締め付けるような。

優しいような、暖かいような、でもなんだか苦しくて、切なくなった。

どうしようもなく人に会いたくなった。共通言語を持つ友人と他愛もない会話をして一日を終えたくなった。

 

 

 

明日のことはわからないけど

つまり未来は可能性だらけ

 

もっと単純に笑ってたいよな

 

 

この歌詞が突き刺さって抜けない。

 


あとちょっとがんばればまた会えるかな

あとちょっとがんばればみんなでわっと集まれるような過去の未来がやって来るのかな

 


なんて思ったらどうしようもなく人に会いたくなった。

 

 

 

思えばあと少し、あとちょっと、って思わせてくれるのはWESTさんだった。

 


私が出会ったのは去年の夏。

 


FNS歌謡祭での『証拠』

アクリル板を隔てて歌っていた7人が、アクリル板から飛び出して隔てのない景色を見せてくれた時、

あと少しの我慢かもしれない、そんな夜明けを感じる希望をくれた。

 


あれから数ヶ月経って、今はまだ緊急事態宣言の最中。

あと少し、ではなかったけどあと少し、あとちょっと、そんな希望を日々繋げていけるだけで生きられる。

 


あの時もそう、漠然とした不安と不満ばかりでどうしようもない日々に、

 

 

 

頑張っている証拠だよ

 

 

 

そう言ってくれたのがWESTさんだった。

 


たとえ自分が頑張ってるつもりであっても、頑張ってるね、頑張ったね、なんて言って貰える瞬間は少ない。

言って貰える瞬間は何かを成し遂げた時、目に見えて挑戦した時。

 


何かわからないものに耐えて何かわからない不安に心が簡単にぷちっ、って潰れそうになるのを頑張って耐えたところで誰も頑張ったね、なんて言ってくれない。

 


でもWESTさんは言ってくれた。

あの時心のどこかで求めていた言葉をくれた。

 


思うようにエンタメが摂取出来なくなった2020年、ただ息をしているだけになった。

生きて身体を動かすために息をしているだけ。

心は停止状態。

 


エンタメに生かされてたことを実感した。

 


あの日のサンボさんとのコラボのように、

声出して飛び跳ねて煽って煽られて楽しいヤバいって共通言語を持つ友人と興奮に任せて対話をする、そんなことが私の日常だった。

それをまた今、取り戻したい。

 


なんてそんな、ジャニーズWESTさんと出会えてよかったなぁ!っていう、話でした。

 

 

rainboW早く手元にほしい。

 


そんな私が人と会えるまであと数日。

あとちょっと、あと少し。繋いでがんばりますよっと。

 

2019年

2018年が終わって数日が経ってしまいました。

 


2018年、終わっちゃいましたね。

 


アイドルの渋谷すばるがいない世界が回ってしまう。

ああ、なんて、寂しい世の中なんでしょう。

FCサイトの登録アーティストが未登録に変わったあの日。

次に応援する人なんて、決めようがないですよね。だって、渋谷すばるを愛してしまってるんですもん。

 


前回、もう数ヶ月前ですが、渋谷すばる関ジャニ∞のことを少しだけ、少しだけ書かせて貰いましたが、一つだけ大切なことを書き忘れてたんですよね。

 


どれだけ恋焦がれている渋谷すばるでも、もう

 

関ジャニ∞に戻ってきて欲しい

 

とは思わないんです。

これって冷たいのかな。って思いはするけど、渋谷すばるさんは渋谷すばるとして、関ジャニ∞と、その時は内博貴と8人で、また同じステージで、笑って、歌っているのを見られたら、それでいいや、別れた道だっていつかどこかで交差するところがあるんだって、思える出来事が、あったんですよね。

 


数年前のある日、突然解散したアーティストがいました。

本当に突然、FCからのお知らせメールで本日付で解散しました。って。

残酷ですよね。

なんだかもやもやしていても、音楽が楽しいって、思わせてくれたアーティストだったから。普段喧嘩なんてしないのに、友達と喧嘩しちゃったりまでして。喧嘩っていうか、自分が感情に任せてキレただけなんですけどね。未だに忘れられないです。

荒んでましたね、あの瞬間。

でもそんな幕引きをしたアーティストが、ツアーのゲストとして、再び共演をするんです。

それを知って、やっぱりそんなことってあるんだって、なんだか、希望がもてました。

 


渋谷すばると、関ジャニ∞内博貴、8人が同じ場に立つ日を夢見て、応援しているアーティストの欄はまだ空欄のまま、FCの更新でもしましょうか。

渋谷すばるという男を愛した記憶

関ジャニ∞をはじめて生で観たのは2005年、夏。

それから時は経ち2018年、関ジャニ∞はまた、少し先を歩くことになていました。


渋谷すばるの脱退、退所。


こんなブログ今更って、自分でも思ったんですがなんだか晴れない気持ちをここで少しだけ、吐き出したくなってみました。

気持ちの整理、のようなものですね。


あぁもう、泣いてしまう。早い早い。


関ジャニ∞を好きになったのは、母と姉の影響でした。母は丸山隆平さん、姉は大倉忠義さん、錦戸亮さん担当。

そして私は渋谷すばる、という男と出会いました。

 

身体中に染み渡るような、脳天直下、ガツンと衝撃を与えるような。

そんな歌声を持つ渋谷すばる、という男。


そんな男が、まさか関ジャニ∞を脱退するだなんて、予想だにしませんでした。


だってすばるさん、関ジャニ∞大好きじゃないですか。


関ジャニ∞が奏でる音楽も笑い声も笑い顔も、大好きじゃないですか。


すばるさんがね、大きな口を開けて目尻に皺を寄せて声を上げて身体跳ねさせて笑うような、あの笑い方が大好きなんです。

吸い込まれてしまいそうな大きな黒目も。

あの独特な笑いのセンスも。


でもやっぱり一番好きなのは

なんですよね。


渋谷すばるの歌う歌


心臓と結びついてるんじゃないかって、真っ赤なコードを握りしめて歌う姿。

歌うことが生きることだと、体現するようなあの姿。

無くても何か、見えるじゃないですか、マイクと心臓を繋ぐような渋谷すばるに絡まる真っ赤なコード。

それが、結果として渋谷すばるという男を、連れて行ってしまったんでしょうかね。

それが運命だったのでしょうか。歌うという彼の運命、宿命。


関ジャニ∞を、渋谷すばるを、アイドル、も表現していいのだろうか。

そう、疑問を抱いたことがありました。

アイドル、を目指しているのかどこか違うところを目指しているのか、特に自担である渋谷すばるさんは尚のことそう強く思わせる言動もありました。


でもね、渋谷すばるさんソロで出演した時、

関ジャニ∞

と書かれたTシャツを着て出たあの時、言ったじゃないですか


関ジャニ∞っていう アイドルグループやってます」


あぁ、アイドルでいいんだって。渋谷すばるはアイドルでいてくれるんだって。

心底安心しました。


最初に週刊誌に記事が載った時。

嘘つけよ

って思いました。

関ジャニ∞関ジャニ∞だぞって。あの、関ジャニ∞を愛してやまない男が関ジャニ∞脱退なんて有り得ない。

って、思ってました。


それが打ち砕かれる瞬間、来ちゃいましたよね。

FCサイトからのお知らせメール。

嘘でしょ、嘘だよね。まさかね。

予告された時間に開いたパンク寸前のFCサイト。


そこに載っていたのは

渋谷すばるの脱退についてのメンバーのコメント


もう、涙も出ませんでした。

だってそんなの信じられないじゃないですか。

だって渋谷すばる関ジャニ∞を抜けるなんて、信じたくないじゃないですか。


泣きながら電話をしてきた友達にも、なんだかどこか冷静になって電話を切って。

改めて読み返した、関ジャニ∞7人のコメント。

なんでしょうね。

意味がわからない、以外の感情は浮かびませんでしたよね。


6人で行われた記者会見。


横山さん、泣かないでよって、泣いたらほんとみたいじゃんって。

 

正直ね、ここ数年、関ジャニ∞から離れてたんです。

JUKEBOXで燃え尽きた、って感じでした。

それがね、

やっぱり好きだ、関ジャニ∞が、渋谷すばるが好きだ、LIVEに行きたい

って、2018年元日、FCに入り直したんです。


それがね、数ヵ月後には、もう、関ジャニ∞渋谷すばるは見れないと知ることになるんですよ。

遅かったんです。もう、遅かったんです。


大切なものって失ってから気づくって、本当にそうなのかもしれないですね。

それでもLIVEに行くって、決めたんです。

関ジャニ∞が好きだから。関ジャニ∞が、好きだから。


7月23日 ナゴヤドーム

8月24日 京セラドーム


2公演が決定しました。


正直すごくこわかった。渋谷すばるのいない関ジャニ∞をみることが。

渋谷すばるの声のない関ジャニ∞の歌を聞くことが。

ナゴヤドームなんてギリギリまでね、本当に逃げ出そうかと思ってたくらい。

入場だけして、逃げようって。そんなこと思ってました。


でも私、逃げませんでした。

当たり前でしょって、思う方もいるかもしれないけど、当たり前じゃないんですよ。


だって人生で一番愛したアイドルが、いないんですから。


7人の関ジャニ∞はもう居ない。

そう、呟いて始まったライブは、1曲目から大号泣。


渋谷すばるの声がないんです。

恋焦がれた渋谷すばるの声。

渋谷すばるの歌う姿がないんです。

愛した渋谷すばるの姿。


それでも逃げなかった理由って、やっぱり関ジャニ∞が好きだから。

それとね、渋谷すばるの残した言葉です。


「6人の関ジャニ∞に期待していてください」


すばるくんがそう言うなら、すばるくんがそう言うなら、やっぱり関ジャニ∞って、素敵なんだろうなって、ね。


そうして臨んだ2公演でしたが、関ジャニ∞のメンバーは言ってくれるんです


「すばるくんがすきならすばるくんを追えばいい」

「でも形の変わった関ジャニ∞を抱きしめて欲しい」


って


この人達は、渋谷すばるが好きなままの、渋谷すばるを愛したままの赤いコードの絡まった何かを失くした私たちのことも、受け入れてくれるんだって、思いました。


たくさん、泣きました。


たくさんたくさん、泣きました。


錦戸さんがね、名古屋で言うんです

「関ジャムの放送の時に泣いたけど、あれでスッキリしたところがある。だからみんなも、なくなりなんなりして気持ちの整理したらいい」

って


そのあと歌った大阪ロマネスク


関ジャニ∞7人最後の生放送、あの時歌った大阪ロマネスク。

もう、堪んないじゃないですか。

渋谷すばるはいないのに、渋谷すばるがいるんですもん、どうしたって消えないくらい強烈な姿が歌声が刻み込まれてるんですもん。

会場から聞こえる啜り泣く声にね、錦戸さん落ちサビのあとになんて言ったと思います?


「笑え 名古屋!!!」


さっき泣けって言ったのに、さっき泣けって言ったのにそんなの卑怯じゃないですか。

この時の錦戸さんの声ってば、脳裏に焼き付いて離れないんですよ。


さらに曲終わりに村上さんなんて言ったと思います?


「よう泣いとんなぁ」


村上さん最高だよ、関ジャニ∞最高だよ、この瞬間、そう思いましたね。


この時初めて、泣けたんです。

この時初めて、感情が止まらないくらい、泣いたんです。

そんな場を、彼らは与えてくれました。


そうして7人の関ジャニ∞をもう少しだけ、もう少しだけ夢見ることになりました。


そしてその日から、自分に与えた猶予は約1ヶ月。


自分にとっては2度目の6人の関ジャニ∞

これを最後にしようって、そう、決めたんです。


それでもやっぱり、渋谷すばるの姿を探して、渋谷すばるの歌声を探して、渋谷すばるの笑い声を探してしまう。


オモイダマの落ちサビ渋谷すばるの歌っていた落ちサビ

安田章大さんが歌い上げてくれたあのパート

名古屋で聞いた時も、札幌公演のものをワイドショーで聞いた時もその歌声の中に「渋谷すばる」を込めていたように思えたんです。

どこか歌い続けてきた渋谷すばるを彷彿とさせるような、意識してしまっているような。

それが、京セラドームの時には無かったんです。

安田章大の歌声

だったんです。


寂しいのに、最高に嬉しかったんです。


だって安田くんの歌ですから、安田くんの声と想いで歌って欲しいじゃないですか。

歌ってやっぱり、変わるんですよ。

歌ってる人の心が反映されちゃうじゃないですか、強いんですよ、

安田くんも。

錦戸くんも。

大倉くんも。

丸山くんも。

村上さんも。

横山さんも。

強くいてくれるんですよ、失ったものは同じはずなのに、強く、強く進めるように手を引いてくれるんです。

誰も、はぐれないように。


なんだよエイター

最高に愛されてんじゃねーか


この京セラドームでも泣きっぱなしでした。

でもね、名古屋の時みたいに、すばるくんを探して泣くばっかりじゃなかったんです。

この頃もう、日本にはいないであろうすばるくんって、この6人のライブ観てないんだよな、もったいないよな、見てもらいたいな。

って。

渋谷すばるに観てほしい、関ジャニ∞のライブ

だったから。

 

この関ジャニ∞のライブの帰り道、若い女の子2人も関ジャニ∞のライブ終わりだったようで、感想を伝え合う中、

「隣の人がさぁ、ライブ中ずっと泣いてるんだよね。ずっと泣いて見もしないの。お金払ってるのに来なきゃいいのにって思った」

という言葉を吐いていたことが、なんだかとても悔しく思えました。

私のこと、ではないのですが、渋谷すばる担の方だったのかもしれない。

何故、どうして愛した渋谷すばるを失った上にそんなことを言われなければならないのか、悔しかったです。

気持ちの整理をするために、関ジャニ∞が好きだから、その場にいたのかもしれないその方を、どうしてそんな言い方をしてしまうのだろうと、悲しくもなりました。

そんな事件はひとつだけ、でしたが。

残っちゃいますよね、こういうの。


今更渋谷すばる以外の担当なんて見つかりません。


でもやっぱりね、関ジャニ∞が大好きなんです。


6人になってリリースされた


「ここに」


この曲にも正直渋谷すばるを探してしまう自分がいます。


すばるくんだったらどこのパートなんだろうか。

どんな始まりをみせてくれるんだろうか。


ダメなエイターですかね。

でもまだもう少し、慣れるまでその都度どうしようもなく落ち込むけど、まだ少しだけ、このままいても関ジャニ∞は受け止めてくれるのかなって。

6人の関ジャニ∞なら、そんなエイターでもはぐれないように手を引いてくれるのかなって。

 

渋谷すばるが与えてくれた、最高に誇らしい名前を持って、

最後に叫んでくれた名前を持って、

関ジャニ∞の進む道を、共に歩んでいけたらなと、思っている日々です。